先端半導体向け材料「EUV露光機用ペリクル」の
量産体制確立を加速
産総研とナノリソグラフィ要素技術に関する共同研究を推進 リンテックグループは先端半導体の微細回路形成に欠かせないEUV露光機用ペリクル(防塵材料)の第一次量産体制の構築を図るべく、2023年10月から国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)の先端半導体研究センターと共同研究を推進しています。このたび、これまで行ってきた研究成果を元に量産化の見通しが立ちましたことをお知らせします。今後は2025年度内の量産体制確立に向け、さらに取り組みを強化していきます。
量産体制確立に向けた取り組みを着実に推進
先端半導体の微細回路形成には、EUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)露光機が用いられていますが、露光機の性能向上に伴い、より高耐久のペリクルの開発が求められています。ペリクルとは、フォトマスク(回路パターンの原版)への異物の付着を防ぐ防塵膜の役割を果たす部材です。EUVに対する透過性や耐熱性、耐久性が要求され、半導体の生産性向上に貢献することができます。
先端半導体において日本の製造装置・材料の重要性が増している中、当社グループではカーボンナノチューブ(CNT:筒状炭素分子)シートの開発を手がけている米国・テキサス州の研究開発拠点において、高耐久のCNT製ペリクルの開発に着手し、2023年に要素技術を確立しました。また、同年10月には産総研と量産化技術の共同研究を開始し、今年の7月には当社グループが独自開発したCNT製ペリクルの量産機の立ち上げに成功しました。このたび、これらの研究成果を元に、量産化の見通しが立ちました。
研究開発の成果を結集し、社会実装へとつなげる
今回、産総研と次世代半導体デバイス製造向けナノリソグラフィ要素技術の共同研究を行うと共に、当社グループではCNT製ペリクルの量産体制確立に向けて、米国・テキサス州のほか、国内の研究所(埼玉県さいたま市)でペリクルの要素技術の開発を推進しています。また、半導体関連装置などの設計・開発拠点(埼玉県北足立郡)で独自設計の量産機を開発。さらに、EUV透過率測定装置などのペリクル特性の評価装置の開発も行っています。これらの研究開発の成果を結集し、2025年度内の量産体制の確立および早期の社会実装へとつなげていきます。
共同研究の概要
- 題目:
ナノリソグラフィ要素技術(注)の研究
- 目的:
次世代半導体デバイス製造向けナノリソグラフィ要素技術の研究を行い、研究成果の社会実装を目的とする
- 参画:
国立研究開発法人産業技術総合研究所
リンテック株式会社 研究開発本部、伊奈テクノロジーセンター、事業開発室、アドバンストマテリアルズ事業部門、リンテック・オブ・アメリカ社 ナノサイエンス & テクノロジーセンター
(注)リソグラフィ要素技術:フォトマスクに描画された半導体デバイスの回路パターンを、露光機を介してウェハ上のレジスト(光に反応して変化する感光性材料)に転写する技術。中でもナノリソグラフィは、ナノ(10億分の1)メートルレベルのパターンの形成に用いられ、半導体の微細化に欠かせない次世代型の技術とされています。
国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)について
経済および社会の発展に資する科学技術の研究開発を行う日本最大級の公的研究機関であり、社会課題解決と産業競争力強化をミッションとしています。そのための体制として産総研のコア技術を束ね、その総合力を発揮する5領域2総合センターがあり、全国12か所の研究拠点で約2,300人の研究者がイノベーションを巡る環境の変化やそれらを踏まえて策定された国家戦略等に基づき、ナショナルイノベーションシステムの中核的、先駆的な立場で研究開発を行っています。
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