サステナビリティ

トップメッセージ

一人ひとりの声が持続可能な未来へ歩む原動力となる リンテック株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 服部 真

着実に計画を進め、変化にも対応する企業へ

私たちを取り巻く経営環境は、足元では中東情勢の緊迫化による原材料やエネルギーコストの上昇に加え、米国の関税政策や各国の金融政策、サイバー攻撃リスクの高まりなど一段と複雑さと不確実性を増しています。こうした変化は、企業活動にさまざまな影響を及ぼしており、企業には変化を的確に捉え、迅速かつ柔軟に対応する努力がこれまで以上に求められています。
そのような状況にあっても、当社の掲げる2030年3月期を最終とする長期ビジョン「LSV 2030」は中間点を過ぎ、重点課題の解決に向けた歩みは当初計画を上回る進捗を実現しています。これは、グループ全従業員がそれぞれの現場で課題に向き合い、改善と挑戦を積み重ねてきた成果であり、一人ひとりの行動が大きな力となっていることを示しています。

企業情報の発信と皆様の声を大切に

当社は、ESGを経営の根幹に据え、事業成長と社会的課題の解決を一体的に推進しています。また、企業価値を適切に評価していただき持続的な成長につなげるため、有価証券報告書などを通じて会社の業績や健全性を示す財務情報やESG、技術、知的資本などの非財務情報を的確に発信してまいります。変化の激しい時代だからこそ、財務情報と非財務情報の両面を判断の軸とし、持続的な成長に取り組むとともに、その成果をステークホルダーの皆様へ丁寧に発信し、皆様からの声を経営に生かしてまいります。

ESGの取り組みを通じた価値創出

環境

製品・技術・サービスを通じて環境負荷の低減に貢献することを重要なテーマとしています。環境負荷低減の一環として、CO2排出量については2030年3月期までに2013年度比50%削減を目標としていましたが、これを前中期経営計画で達成したことから最終目標を75%に引き上げ、現在も計画を上回るスピードで削減が進んでいます。また、VOC排出量の削減については無溶剤化の推進など製造・研究部門が一体となって取り組んでいます。
当社は、リサイクルPETやバイオマス素材などを活用した製品の開発・供給、資源循環に資する取り組み、省エネルギーに貢献する製品・技術の提供などを通じて、さまざまな場面で環境課題の解決に関わっており、生産活動においてもCO2排出量削減につながる設備更新や太陽光発電設備の導入、継続的な省エネルギー活動の推進などを通じて、全社が一丸となって環境負荷の低減に取り組んでいます。
さらに、資源循環の促進に向け、業界の関係企業と協力しながら取り組みを進めています。環境課題への対応を事業成長の機会と捉え、事業活動を通じて環境と社会への貢献をさらに深めていきます。

  • VOC:Volatile Organic Compoundsの略称。大気中で気体状となる有機化合物の総称。

社会

サステナブルな企業であり続けるために従業員を含むすべてのステークホルダーを大切にし、良好な関係を築いていくことが不可欠です。当社では、人権方針を策定しており、人権尊重を含めた行動規範は小冊子「リンテックグループ 行動規範ガイドライン」をグループ全従業員に配付することで周知徹底を図っています。
働き方改革や職場環境を従業員の声から改善に役立てるための職場環境改善小委員会、人材確保を目的としたリファラル採用制度やアルムナイ採用制度の導入、また、物価上昇など社会環境の変化も踏まえながら、従業員一人ひとりが安心して能力を発揮し成長できる環境づくりに取り組み、その一環として制度の改善や賃金水準の見直しも進めています。
こうした取り組みは、人時生産性の向上を通じて持続的な企業成長を支える重要な基盤であると認識しています。今後も、一人ひとりが「リンテックで働いてよかった」と実感し、自らの成長と働きがいを感じながら活躍できる環境づくりを進めていきます。

ガバナンス

コーポレートガバナンスの強化に向けて、「取締役会の実効性向上」「グループ全社でのリスク管理体制の整備」「事業ポートフォリオの見直し」などに取り組んでいます。こうした取り組みの一環として、サステナビリティ委員会の機能強化を進めています。同委員会では社内外の知見を取り入れながら多角的な議論を重ねる中で、重点テーマに対して社外取締役を含む経営層による建設的かつ活発な議論が行われるようになりました。
こうした議論を通じて進捗や課題を検証し、取り組みを着実に推進しています。今後も変化する社会や経営環境を的確に捉えながら、長期的な視点で持続的な企業価値の向上に取り組んでいきます。

サステナブル企業として着実に進化を続ける

長期ビジョン「LSV 2030」では「社会的課題の解決」「イノベーションによる企業体質の強靭化」「持続的成長に向けた新製品・新事業の創出」を重点テーマに掲げています。中でも「社会的課題の解決」はESGに深く関わるテーマであり、その実現に向けて、グループ全従業員が一丸となって取り組み、着実に前進しています。
これからも従業員一人ひとりの行動を原動力に、株主、お客様、お取引先、地域社会をはじめとするステークホルダーの皆様とともに、変化を成長の機会として捉えながら、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に挑戦し続けていきます。
今後も皆様にはご意見をお寄せいただくとともに、引き続きご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

サステナビリティ推進担当役員
メッセージ

リンテックのサステナビリティ

当社グループは、2030年3月期をゴールとする長期ビジョン「LSV 2030」において、「イノベーションによる企業体質の強靭化と持続的成長に向けた新製品・新事業の創出を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献する」という基本方針を掲げています。この基本方針のもと、重点テーマやマテリアリティを設定し、3年ごとに策定される中期経営計画に取り組みを落とし込み、実行してまいりました。CO2排出量削減では当初目標を2024年3月期に前倒しで達成し、目標を引き上げるなど順調に進捗しています。さらに65歳定年制の導入や採用方法の多様化など人的資本施策の強化や非財務指標を役員報酬に連動させるなど、長期ビジョンの実現に向け、経営とサステナビリティ推進の連携を着実に進展させています。
近年、事業環境の変化に加えてステークホルダーからの要請が一層高度化しており、財務・非財務の統合的な価値創造ストーリーの発信とその実効性に対する評価もより厳しくなっています。当社グループでは、サステナビリティに関する取り組みや活動の定着に加え、より戦略的で強固な推進体制および透明性の高い情報開示を通じて、サステナビリティ経営の実効性をさらに高めていきたいと考えています。

サステナビリティ経営のさらなる実効性向上のために

実効性の向上と活動・体制の改善に向け、サステナビリティ委員会のメンバーである社外取締役へのアンケートを実施しました。項目はこれまでの活動や体制の評価、経営戦略との連携、情報開示のあり方など多岐にわたり、多面的に意見や提言を得ました。これらを踏まえ、課題ごとの優先度を明確化したうえでサステナビリティ委員会での議論と意思決定を行い、決定事項を執行側の委員会・分科会や各部署へ展開し、進捗の可視化と継続的なモニタリングを通じて成果の創出につなげてまいります。また、実効性向上のためには、経営層だけでなく従業員一人ひとりが「何のために」「いつまでに」「何を行うべきか」「どの目標に貢献するのか」を認識し、自らの業務とサステナビリティとのつながりを意識して行動することが不可欠です。社内への浸透を一層進めるため、関連情報を統合的に発信する社内ポータルサイトを2025年度に立ち上げ、従業員が自らの業務とサステナビリティの関係を理解し主体的に行動していくための基盤を整備しています。

Stage 3、さらにその先に向けて

2026年度はLSV 2030-Stage 2の目標達成を確実なものとするとともに、LSV 2030の実現に向けて重要となるStage 3の計画策定を進めます。経営環境などの変化があってもLSV 2030で設定した重点テーマは当社が引き続き重視すべきテーマです。具体的な取り組みや目標を環境変化に応じて更新し、推進してまいります。環境面では脱炭素のさらなる深化、環境配慮製品の拡充や資源循環の促進、社会面では人的資本経営の推進や事業戦略と連動した人材登用、ガバナンス面ではサステナビリティ推進体制のブラッシュアップやリスクマネジメントの高度化などを進めます。さらに、それぞれを経営戦略と有機的に結びつけることで企業価値の持続的向上を図ります。

当社グループは、社是「至誠と創造」のもと、粘着応用技術、表面改質技術、特殊紙・剥離材製造技術、システム化技術という四つの基盤技術を核とした「ものづくり」により、お客様の課題解決を通じて社会課題の解決と企業価値の向上を両立してきました。今後もこれらの強みを基盤に、技術革新と新たな発想を取り入れることで提供価値を一層高め、企業価値を向上させてまいります。あわせて、取り組みの成果を定量・定性の両面から分かりやすく開示することで、ステークホルダーの皆様との建設的な対話を通じて改善と深化につなげ、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

ステークホルダーの皆様におかれましては、当社グループの取り組みに対して引き続きご理解とご支援を賜るとともに、忌憚のないご意見・ご助言をいただけますようお願い申し上げます。

2026年8月31日