研究開発

開発体制・方針

研究開発体制

当社の研究開発機能が集中する研究開発本部 研究所では、最新鋭の試験・分析機器やテスト塗工設備、クリーンルームに加え、お客様が実際に使っているものと同程度の半導体関連装置も完備しています。

2015年には先端技術棟を完成させ、工場の量産設備に近い大型テスト塗工設備を導入したことによって、開発から量産化までをスムーズに行える体制を整えました。現在、現業に直結する製品開発を行う製品研究部と、将来を見据えた研究開発を行う新素材研究部を中心に約200人の研究員が在籍し、日々それぞれの開発テーマに励んでいます。

また、米国・テキサス州の「ナノサイエンス&テクノロジーセンター」では、ナノカーボン材料や人工筋肉など、従来の技術領域とは全く異なる新しい分野の研究開発に取り組んでいます。

研究開発体制のイメージ写真
研究開発体制図

研究開発方針

当社では既存事業における競争力の強化と新規事業・新製品の創出に向け、手掛けたテーマを必ず形にするという強い決意を持って研究開発を推進しています。「フロントローディング設計」や「ワンストップ開発」をキーワードに開発効率・スピードの向上に努めているほか、研究所と各事業部門などとの連携による「ステージ・ゲート・システム」という研究開発スキームを構築し、中・長期テーマを中心に新たな価値創造の実現に向けて取り組んでいます。

フロントローディング設計

顧客ニーズや開発プロセスの精査に重きを置き、製品開発の初期段階で可能な限り開発上の課題やリスクを洗い出す手法です。事前に対策を講じて途中段階でのやり直しを極力抑えることで、開発効率を高め、コスト削減にも寄与します。

グラフ:作業負荷と開発の流れにおけるフロントローディング設計の開発効率

ワンストップ開発

新規素材開発と、量産化に向けたプロセス開発を同時並行で進めていこうという考え方です。工場の量産設備に近い大型のテスト用粘着剤塗工設備や剥離剤塗工設備などの導入によって、量産に必要な粘着剤および剥離剤の配合や、塗工時の環境条件などのデータを研究所で収集することができます。これにより、量産化までの開発スピードの向上という大きな成果が出ています。

大型テスト塗工設備

プロセス開発室

素材の設計・開発を担う各研究室に加え、研究所には各種塗工剤の配合・塗工・乾燥などといった、生産工程における個々の単位操作技術の探究を担う「プロセス開発室」が組織されています。開発品の量産化や生産効率の向上、品質の安定化、さらには最終製品の物性コントロールまでを見据えた研究を行っています。

ステージ・ゲート・システム

研究開発テーマを「着想」「調査」「インキュベーション」「研究開発」「製品開発」の5段階に分け、次のステージへと開発を進めるか、取りやめるかを都度厳しく審査し、判断する社内プロセスです。要所での十分な検証によって開発の後戻りを防ぎ、各テーマを着実かつ迅速に形にすることを狙いとしています。

新素材・新技術を調査・研究し、確立すべき技術の検証を行う未踏技術研究部と、開発テーマ遂行に伴う研究開発活動全体の最適化および新事業創出のための仕組みづくりを担うイノベーション推進部が中心となり、研究所と各事業部門、そして社内横断的なマーケティング部門である事業開発室が密接に連携することで、顧客ニーズや市場の変化に対応した新たな価値創造を図っています。

表は横にスライドして御覧いただけます。

コーポレート研究と事業部門 中・長期テーマにおける社内プロセスの概要図

事業統括本部
事業開発室

各事業部門が有する固有技術を横展開していくことを主眼としているのが事業統括本部の下に組織されている「事業開発室」です。マーケティング視点から産官学の連携を通じて、会社の持続的成長に貢献していくことを目的としています。情報通信・エレクトロニクス、自動車、環境、ライフサイエンス、エネルギーといった分野に注力し、社会的課題の解決と会社の持続的成長の両立を見据えて、新規事業開拓に取り組んでいます。

知的財産活動

当社では顧客ニーズに応える独創的な製品の開発を通じて企業価値の向上に努めており、これらの開発活動によって得られた特許権・商標権・意匠権などの知的財産を重要な経営資源と位置づけています。

知的財産部では、他社権利の尊重を第一に考えるとともに、“技術立社”リンテックの生命線ともいえる知的財産権の拡充を目的に、各研究室および各事業部門と連動した戦略的な知的財産活動を推進しています。基盤事業領域と成長事業領域における特許ポートフォリオの構築、事業のグローバル化に対応した知的財産権の確保などによって、事業価値の高い知的財産に基づく収益性の向上を目指しています。

知的財産活動のイメージ写真