経営方針

事業等のリスク

当社グループは、グループ全体におけるリスクの把握と発生の防止に努め、チャンス(機会)を捉えて生かす行動を根付かせていくために、全社リスクマネジメントシステムの構築を推進する「全社リスク管理委員会」を設置しています。同委員会はグループ全社でのリスク管理体制構築に向けてシステムづくりから管理・運用までを担い、継続的に改善活動を行っております。当社グループの事業に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクには、以下のようなものがあると認識しておりますが、これらは想定される主要なリスクを例示したものであり、全てのリスクを網羅したものではありません。

1. 経済情勢、市場環境の変動リスク

当社グループの事業はあらゆる産業に展開しており、国内外の経済情勢、市場環境の影響を直接及び間接的に受けます。国内においては、少子高齢化の進展や人口減少社会の到来によって市場の縮小が進み、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますが、新たな需要の開拓を進め、既存事業のシェア拡大と新市場の創出を図っていきたいと考えています。また、電子・光学関連においては、世界のエレクトロニクス産業の動向の影響を受けるため、今後の同産業の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

2. 販売価格の変動リスク

当社グループが事業を展開する市場は国内外において厳しい競合状態にあり、十分な利益を確保するに足る販売単価の維持や販売シェアの確保ができない場合があります。競合に対する差別化やきめ細かい顧客サービスによるシェアの維持、コスト削減による利益の確保に努めてまいりますが、これらが困難になる場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

3. 原材料等価格の変動リスク

当社グループは製紙用パルプや各種石化製品などを原材料、燃料として多く使用しており、その価格は在庫水準や需給バランスによって変動する市況製品です。原材料等の購入に際しては市況動向を見極めた発注に努めてはおりますが、価格の急激な変動によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

4. 海外事業展開に関するリスク

当社グループは世界各地で生産・事業展開を進めており、2024年3月期の海外売上高比率は61.1%となっています。生産・事業展開する各国において、テロ、政変、クーデターなどによる政情不安や治安の悪化、従業員による労働争議、感染症、予期せぬ税制、外為、通関などに関する法律、規制の変更など不測の事象が発生した場合、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また為替変動リスクも高まっており、米ドルのみならず、韓国ウォンや中国元、台湾ドルなどアジアの主要通貨の動向も注視するとともに、為替予約などを行うことでリスクの軽減を図っておりますが、想定以上の為替相場の変動によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

5. 新製品開発について

当社グループは総合技術力で市場ニーズに対応し、競争力のある高付加価値製品を市場に投入していくことを目標に研究開発を推進しており、研究スタッフの増員や産学共同研究などへの経営資源投入を強化しております。しかしながら、このような研究開発への経営資源の投入が必ずしも新製品の開発、さらには営業収入の増加に結びつくとは限らず、開発期間が長期にわたったことなどにより、開発を中止せざるを得ないような事象が発生した場合は、製品開発コストを回収できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

6. 知的財産権について

当社グループは独自に蓄積してきたさまざまな製造技術について国内外において必要な知的財産権保護手続きを行っておりますが、法的制限だけでは完全な保護は不可能であり、取得した権利を適切に保護できない場合があります。また、当社グループの製品に関して第三者より知的財産権侵害の提訴を受ける場合があります。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

7. 重要な訴訟等について

当社グループが国内外で事業活動を行うに当たり、製造物責任(PL)関連、環境関連、知的所有権関連などに関して訴訟その他の請求が提起される可能性があり、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

8. 法規制について

当社グループは事業活動を展開する各国において、各種法規制の適用を受けております。これらの規制の遵守に努めておりますが、規制の強化または変更がなされた場合には事業活動が制限され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

9. 自然災害や重大事故について

当社グループは自然災害や重大事故の発生に対応するため、BCP(事業継続計画)を策定し、BCMS(事業継続マネジメントシステム)を運用していますが、気候変動などによる大規模自然災害の発生などにより、当社やサプライヤーの事業所が想定を超える被害を受けて製品の安定供給が困難になる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。