2022年05月25日

当社のTCFDに関する取り組みについて

当社では気候変動が自社の事業活動にさまざまな影響を及ぼすことを認識し、これを重要な経営課題の一つとして捉えています。リスク管理体制や各リスクへの対応を強化するとともに、新たな事業機会を見いだしていくことなどによって、持続的成長とサステナブル社会実現への貢献を目指していきます。気候変動への対応に関する情報開示については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に沿って積極的に行い、ステークホルダーの皆様とのエンゲージメントを通じて、さらなる企業価値向上に努めていきます。

TCFDでは下記の4項目が開示内容の大枠として示されており、当社ではそれぞれの項目につき当社ウェブサイトにてTCFDの提言に沿った開示を進めていきます。

    1.ガバナンス

    気候変動関連課題への対応を含むサステナビリティに関する具体的な取り組み施策については、「サステナビリティ委員会」(原則年4回開催)において、対応方針や実行計画についての議論と進捗状況の監督を行っています。同委員会は代表取締役社長が委員長を務め、全取締役および下部委員会の推進担当役員が参加しており、討議結果は取締役会において報告される体制としています。
    気候変動関連課題は「TCFD分科会」を通じて「環境委員会」で一次評価を実施し、「サステナビリティ委員会」において最終的な評価を行います。課題への対応策は各拠点で実行・管理され、対応状況は「環境委員会」にて取りまとめ、「サステナビリティ委員会」において全取締役および推進担当役員に報告されています。

    2.戦略

    当社では、気候変動に伴うさまざまなリスク・機会を事業戦略策定上の重要事項の一つとして捉えており、外部機関が公表する「4℃シナリオ」と「2℃シナリオ」の二つのシナリオを参照して、2030年までの国内事業を対象としたシナリオ分析を実施しています。
    シナリオ分析の結果特定された気候変動に関連するリスクと機会の対応策を長期ビジョン「LSV 2030」の取り組みに反映させるとともに、今後は海外事業も含め、より長期的視点での分析を進めていきます。

    3.リスク管理

    当社ではリスク管理体制強化のため、各本部長と社長直轄組織である各室の室長で構成される「全社リスク管理委員会」を2018年4月に設置し、定期的に委員会を開催しています。2021年4月にサステナビリティ活動の推進体制が刷新・強化され、同委員会の目的を「事業におけるリスクと機会の把握、対応方針策定、職制への落とし込みおよび検証」として、改めて明確にしました。同委員会では、主に各委員の課題認識と管理職などを対象に毎年実施しているリスク洗い出しの結果に基づいて、自然災害を含む各リスクの評価・分析を行っています。その結果は四半期ごとに「サステナビリティ委員会」と取締役会で報告され、対応などについての指示を受けています。
    また、気候関連リスクに係る情報は「環境委員会」が収集して識別・評価を行い、その結果を「サステナビリティ委員会」に報告しています。同委員会では対応の必要性を検討後、適宜、下部委員会を通じて推進担当役員に業務指示を行っており、指示を受けた推進担当役員はそれぞれの所管部署を通じて対応策を実行します。「環境委員会」はその後の状況の変化を継続的に確認し、当初掲げた指標・目標が達成できているかどうか定期的に把握しています。今後も各委員会が連携してリスク管理能力の強化に努めるとともに、リスク管理体制の継続的な改善を図ることで、当社グループの持続的成長につなげていきます。

    4.指標と目標

    当社は、気候変動への対応として温室効果ガス排出量の削減が重要であると認識し、研究開発・製造・販売・物流面などにおいてさまざまな施策を推進しています。脱炭素に向けたこれらの取り組みはメーカーとしての使命であると同時に、気候関連の新たな機会獲得につながると考えています。当社グループでは長期ビジョン「LSV 2030」において、「CO2排出量を2030年までに2013年度比で50%以上の削減」の数値目標を設定しています。