サステナビリティ

SDGsへの取り組み

リンテックグループは、長期ビジョン「LINTEC SUSTAINABILITY VISION 2030」(LSV 2030)で、重点テーマの取り組みの一つとして、事業活動を通じたSDGs達成への貢献を掲げています。
社是「至誠と創造」から、SDGsを企業が果たすべき将来世代への責任と捉え、取り組んでいきます。

SDGsとは

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称です。2015年に国連で採択され、17のゴールと169のターゲットで構成されています。
2030年を期限とする国際社会共通の目標として、世界中の国や企業をはじめ、さまざまな主体がよりよい世界の実現に向けて議論を交わし、行動を起こしていくことが期待されています。

SDGsとマテリアリティの関係

リンテックグループでは、サステナビリティ推進室や経営企画室など複数の部署が協力して2021年にマテリアリティ(重要課題)を再特定し、関係性の高いSDGsを紐づけました。
これにより、事業活動を通じて社会課題解決に貢献できる分野は伸ばし、一方で事業活動による環境負荷は、改めて抜本的な解決方法を模索していく必要があることを認識できました。

取り組みの考え方、推進体制

リンテックグループでは、従業員が自ら考え行動を起こすことを重視し、サステナブルな社会の実現への貢献を進めています。
取り組みの一環として、リンテックでは2018年から組織横断的メンバーを集めたSDGs委員会を設置し、活動しています。
本委員会のメンバーは、SDGsや社会課題解決に関するレクチャー、グループワークを通じて自ら考え行動する役割を学び、実践しています。
海外グループ会社では、SDGsの認知から取り組みを始める必要があると認識できたため、2022年度はリンテック・アドバンスト・テクノロジーズ(台湾)社、リンテック・インドネシア社、リンテック・タイランド社とSDGsに関する対話の機会を設け、各社の活動とSDGsとの接点を考えました。今後、グループ各社がそれぞれの地域・事業環境に応じて自ら考え行動できるよう同様の機会を設けていきます。
また、お客様のご要望に応じて営業と共にSDGsや当社取り組みをご説明する機会を設けており、SDGsへの取り組みを特別ではなく普通のこととするためにさまざまな取り組みを推進しています。

SDGs委員会の取り組み

本委員会の活動は、2020年から推進担当役員によってサステナビリティ委員会へ報告され、フィードバックを得ており、経営層の参画を強化して運営しています。2022年11月には経営層が参加した「提言の会」を行い、前年度から活動を続けていたメンバーによって、社会課題の解決を目指した複数のビジネスアイデアが提案されました。また、社内のSDGsへの関心を高めるべく、提案へ至るまでの活動をメンバー選出部署へ都度報告し、メンバーやその所属部署の従業員とのコミュニケーションに役立てました。
さらにSDGsを特別ではなく普通のこととするために、委員会開催ごとに日本語および英語の壁新聞を発行し、社内掲示やイントラネットへ掲載してSDGsに関するレクチャーや活動内容を発信しました。
2020年の「提言の会」で継続検討になったビジネスアイデアの実現を目指していたグループは、コロナ禍で外部との接触が制限される中、市場調査やデモンストレーションなどで実現可能性を追求し、2022年12月に行った経営層への報告では、新規事業創出を担う既存部署と連携し事業化の実現を模索する方向性が示されました。
本委員会を起点に既存部署との連携を強化しながら取り組みが広がっており、今後も新たなメンバーを募って活動を継続していきます。

取り組みの広がり

SDGs委員会を経験したメンバーが参加期間終了後もビジネスアイデアの検討を続け、社内他部署および外部と連携し、各社・各団体の課題解決と当社初の新たな価値提供を両立し得る「コアマモ混抄紙」に辿り着きました。
海草の一種である「コアマモ」は、海の生物多様性や水産資源確保の観点から保護されてきましたが、近年、海域によっては水質の改善などの効果もあって生息領域が拡大しています。しかし、それが漁業との共存が難しくなるほど拡大してしまい、部分的に刈り取られて焼却処分されていました。
この焼却処分される「コアマモ」を有効活用するために乾燥・粉末化し、当社が保有する特殊紙製造技術の一つである「混抄」によって、「コアマモ混抄紙」の開発を進めています。

こちらのサイトを参照ください。

乾燥・粉末化したコアマモとコアマモ混抄紙
乾燥・粉末化したコアマモとコアマモ混抄紙

VOICE 私のネクストステージ

2018年より事務局としてSDGs委員会の運営に携わっています。社会課題の解決に貢献するビジネスの創出を目標の一つに掲げていますが、それが非常に難しいことを実感しています。2018年から3年間委員会を経験したメンバーが、2022年度に所属部署に戻ってからも検討を続け、社内外の共感・協力を得て、社会課題の解決につながるような試作品「コアマモ混抄紙」を作製しました。本人が諦めずに挑戦し続け、多くの人と連携・協働して辿り着いた提案に、裏方の事務局として非常に感慨深い気持ちになりました。
今後もこのような事例が数多く創出されるような活動を続けるとともに、サステナブルな社会の実現へ貢献すべく、さらにインパクトのあるビジネス創出を後押しできるよう自らの役割を果たしていきます。

西川 健彦
サステナビリティ推進室
西川 健彦