社会性報告

お取引先との協働

リンテックグループでは、全てのお取引先を「相互発展を目指すパートナー」と考えて、信頼関係の構築に努めています。お取引先の選定に当たっては、自由な競争原理に基づき適正に評価し、公正・透明な取引を行い関連法規・社会規範を厳守した調達活動を行っています。

公正な取引

CSR調達

リンテックでは、CSRの精神に基づいて「リンテック原材料調達基本方針」「リンテックグリーン調達方針」「リンテック木材パルプ調達方針」を定め、これらの方針に沿った調達活動を実施しています。
お取引先には、さまざまな機会を通じて、人権尊重、労働・安全衛生、情報セキュリティー、企業倫理など、多面的な観点からCSRの徹底をお願いしています。
また、お取引先のCSRの取り組み状況(法令遵守、児童労働の禁止、安全・健康など)をお取引先アンケートの中で確認し、必要な場合には改善を求めています。これからも、調達活動の改善とお取引先との連携強化に努めていきます。

サプライヤーの評価と改善

リンテックでは、サプライヤーとの信頼関係がより確かなものになるよう、お取引先アンケートの記入をお願いしています。2022年度は前年度実施したアンケートの回答を踏まえて供給者評価を行い、110社142部署に評価結果をフィードバック、そのうち11部署に改善要求を行い、改善活動を進めています。

アンケートの調査項目(概要)

表は横にスライドして御覧いただけます。

経営 財務状況
マネジメント・労務 法対応・企業倫理
労働(人権尊重、労働時間、賃金など)
BCP
SDGsの取り組み
情報セキュリティー
サービス コスト
納期
調査依頼(環境、材料探索、BCPなど)
情報提供(製品情報、技術情報、業界情報など)
BCP 災害時状況確認(生産拠点、製品、ロジスティックスなど)
海外対応 海外業界情報提供、海外法規対応
  • BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)の略称。企業が事故や災害などの緊急事態に遭遇した場合、損害を最小限にとどめつつ、事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために事前に策定された行動計画。

グリーン調達

リンテックグループでは、環境負荷低減を目指して、原材料、部品、副資材の化学物質管理を徹底しています。新たな材料を調達する際はもちろん、継続的に調達している材料についても、新たな規制への対応として製品含有化学物質を調査しています。
2022年度はREACH規則*1第28次含有調査、chemSHERPA*2 2.06含有調査を実施しました。
これからも、お取引先とともに化学物質管理を徹底し環境負荷低減に取り組んでいきます。

  • *1REACH規則:EUの化学物質規制で、化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規制の略称。EU諸国へ化学物質を年間1t以上輸出する場合に登録が必要。また、製品中に認可対象候補物質に該当する化学物質を0.1%以上含有する場合は届け出が必要。
  • *2chemSHERPA:経済産業省が推奨する製品含有化学物質の情報伝達共通スキーム。製品に含有される化学物質を川上から川下までサプライチェーン全体で適正に管理し、拡大する規制に継続的に対応するための仕組み。

責任ある鉱物調達

リンテックでは、武装勢力の資金源や人権侵害・労働問題などにつながる、紛争地域や高リスク地域(CAHRAs*1)で採掘される鉱物*2について、重大な社会問題であると認識し、使用する原材料については、経済協力開発機構(OECD)の「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」(OECDガイダンス)を参考にこれらに関与する鉱山から採掘された鉱物が含まれていないか、CMRT(Conflict Minerals Reporting Template)やEMRT(Extended Minerals Reporting Template)などを利用して厳格な調査を実施し、責任のある鉱物調達を行っていきます。

  • *1CAHRAs:Conflict-Affected and High-Risk Areas
  • *2鉱物:米国金融規制改革法において規定された紛争鉱物に由来する金属は、3TG(タンタル、錫、タングステン、金)。当社ではそれらに加え、コバルト、マイカも対象としている。

児童労働・強制労働

リンテックグループでは、児童労働および強制労働を重要な課題と捉えています。リンテックでは、定期的にお取引先アンケートの形式で状況把握をしています。

BCPにおけるお取引先との協働

リンテックでは、製品の安定供給に必要な原材料の供給元であるお取引先に対して、その事業継続能力の評価を進めています。主要なお取引先を対象に①当社向けの在庫保有量、②お取引先における原材料購入ルート、③生産拠点および設備の防災対応、④代替生産拠点の調査を実施しています。
また、BCPを導入し組織的に運用する体制の整備や、インシデント発生時に対応する組織や手順の整備についても、対応の協力要請を行っています。

  • インシデント:中断や阻害、損失、緊急事態・危機になり得る、またはそれらを引き起こし得る状況。