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環境負荷化学物質の削減
国内外における環境関連法令や各種規制を遵守し、環境に負荷を与える化学物質の削減に努めています。
PRTR法*への対応
リンテックが2020年度に届け出たPRTR対象物質はトルエン、キシレンなどで、総取り扱い量は6,692tでした。
取り扱い量が最も多かった物質はトルエンで全体量の約99%を占め、6,614tでした。生産量が減少したため、前年度より1,038t減少しました。2020年度のトルエンの大気への排出量は399tで前年度より65t減少し、移動量は496tで前年度より133t増加しました。全体として生産量減少により使用量、排出量は減りましたが、小ロット化による洗浄回数増加により移動量(廃液量)は増加したと考えられます。
有機溶剤の大気排出を減らすため処理機を設置しています。工場の製造時に処理機を稼働させずに生産を行うことは禁止しており2020年度は生産時に処理機を稼働させなかった事例はありませんでした。
- *PRTR法 : Pollutant Release and Transfer Register (化学物質の排出・移動量)の届出制度を法制化したもの(特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律)の略称。化学物質の排出量・移動量に関するデータを把握・集計し、国に報告して公表される仕組み。
2020年度 トルエンの排出量・移動量

トルエンの排出量・移動量変化
表は横にスライドして御覧いただけます。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
---|---|---|---|---|---|
トルエン取扱量(t) | 7,730 | 7,752 | 7,919 | 7,652 | 6,614 |
大気への排出量(t) | 471 | 482 | 489 | 464 | 399 |
除去量(t) | 6,792 | 6,787 | 6,901 | 6,825 | 5,719 |
除去率(%) | 93.5 | 93.4 | 93.4 | 93.8 | 93.5 |
移動量(t) (廃棄物として処理) |
467 | 483 | 529 | 363 | 496 |
- ※除去率=除去量/(取扱量-移動量)×100
化学物質管理、EUにおける各種環境規則への対応
リンテックでは、環境負荷物質調査対象物質を定め、購入原材料について調査を実施しています。化学物質の適切な管理・把握により、関連法規の遵守およびお客様への情報伝達に努めています。また、REACH規則*1において、情報伝達のあるSVHC(高懸念物質)認可対象候補物質はさらに追加され24次までの合計で211物質となりました。
また、RoHS指令*2の規制において、現在使用が規制されている6物質にフタル酸エステル類4物質が禁止対象物質となり、2019年7月22日から適用を拡大する改正がありました。
リンテックでは、フタル酸エステル類非含有品への切り替えを進め、環境に配慮した製品対応に努めています。今後も製品含有化学物質の管理を強化していきます。
- *1REACH規則:EUの化学物質規制で、化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規制の略称。EU諸国への化学物質を年間1t以上輸出する場合に登録が必要。また、製品中に認可対象候補物質に該当する化学物質を0.1%以上含有する場合は届け出が必要。
- *2RoHS指令:EUでの電子・電気機器における特定有害物質の使用制限に関する指令。
製品情報提出の流れ

災害や化学物質の漏えい事故などを想定した訓練
リンテックグループの化学物質を取り扱う工場、研究所では、化学物質の漏えい事故を想定した訓練を実施しています。訓練の目的は、化学物質の漏えい事故が発生した時の対応を習得することはもちろん、仮に漏えいが発生した場合にも工場敷地外に流出するのを防ぎ、土壌汚染や火災などを発生させないこと、従業員が安全に処理することです。 2020年度は安全衛生法の有機溶剤取り扱いのない本社などを除く9事業所で訓練を実施し、合計1,357人が参加しました。