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トップメッセージ

「至誠と創造」の精神でCSR活動を推進し、社会に貢献していきます。

時代の変化をチャンスと捉え新たな価値の「創造」にチャレンジ

リンテックは社是である「至誠と創造」の精神を根幹として、社名の由来となった“リンケージ(結合)”と“テクノロジー”により粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術など独自のコア技術を高次元で融合し、幅広い分野に事業領域を広げ、事業のグローバル化を推進しています。

2018年3月、リンテックグループは3か年中期経営計画「LIP(LINTEC INNOVATION PLAN)-2019」の初年度を終え、売上高および営業利益ともに前期を上回る結果となりました。しかしながら、売上高については当初の計画数値を達成できず、営業利益の多くがエレクトロニクス関連事業に偏在しており、事業ポートフォリオのバランスを欠いた状態が続いています。一部の海外グループ会社においては、業績の改善が急務になっていることも見逃せません。

これらの課題を解決すべく、計画2年目となる2018年度は“イノベーションをさらに加速する年”と位置づけ、“改革の深化”、“顧客第一主義の徹底”、“CSRの精神に基づく持続可能な未来の実現”から成る三つの新たな行動指針を策定しました。

イノベーションなくして成長はなく、成長がなければ企業の存続もあり得ません。将来、IoT*やAI(人工知能)が進化を遂げることで、私たちの生活環境は劇的に変化していくでしょう。すでにデジタル技術や通信技術の進歩・普及により、ペーパーレスやキャッシュレス、ワイヤレスといった“レス化”が進む一方で、急速に新しいビジネスや製品が生まれています。

こうした時代の変化をチャンスと捉えて、斬新な発想と視点で事業や製品の開発、そして業務プロセスの構築に向けてチャレンジすることこそが、新たな価値を「創造」してリンテックグループを成長へと導くイノベーションなのです。

  • * IoT:Internet of Things(モノのインターネット)の略称。建物、電化製品、自動車、医療機器など多種多様な「モノ」がインターネットに接続され、相互に情報をやり取りすること。
新中期経営計画「LIP-2019」 (2017年4月~2020年3月)

基本方針

  • イノベーションをさらに深化させ、新たな成長にチャレンジ

重点テーマ

1.地域戦略の強化

  • 国内におけるシェア拡大と新市場・新需要の開拓
  • アジア地域における戦略的投資と事業拡大
  • 欧米における既存領域の拡大と、買収子会社との相乗効果の追求

2.新たな価値の創造

  • 顧客ニーズを超える差別化製品の創出
  • 市場の変化を先取りした次世代製品の開発

3.企業体質の強靱化

  • グループ会社の健全化と持続的な収益拡大
  • 組織横断的な業務改革の推進
  • コスト構造改革のさらなる推進

4.持続可能な社会の実現に向けた取り組み

  • 社会的課題の解決に寄与する事業活動の推進
  • 働き方改革と多様な人材の育成・活躍促進

第125期 行動指針

  • イノベーションをさらに加速する年
  • グループ全社員は改革を深化させ、次なる成長へつなげよう
  • 顧客第一主義を貫き、お客様の期待に応える製品とサービスを提供しよう
  • CSRを行動の基本とし、持続可能な未来を社会と共に築こう

CSR活動への取り組みをイノベーションのエンジンに

CSR活動は、さらなる成長に向けたイノベーションを推進するエンジンとして、重要な役割を担っています。

当社は、本業を通じて環境などの社会課題解決に寄与しながらグループの成長・発展を実現するため、事業統括本部長を中心とする組織横断的な「SDGs*委員会」を立ち上げました。2015年に国連で採択されて以来、SDGsに対する社会の関心は急速に高まっています。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの準備・運営における調達プロセスでも、持続可能性に配慮した調達コードが求められています。今後は、これまで以上に環境対応や社会貢献を重視して、新しいビジネスへの取り組みを進めなければなりません。SDGsの目標に応える新製品も、可能な限りスピーディーに開発し、市場に投入する必要があります。

製品の開発から販売までのプロセスにおいて、研究、生産、営業の各部門が三位一体で取り組んでいることは、当社の大きな強みです。研究者がお客様から情報を収集して、ニーズを超えた新しい価値の創造につなげていくケースも増えてきました。多面的なイノベーションを実現するためには、開発部門と営業部門が交流し、相互に斬新なアイデアを自由に出し合い、いち早く成果を生み出せるように環境を整備することが大切です。

そうした動きを活性化するために、各部門の意見を集約して新規事業の企画・開発を行う「事業開発室」を新設しました。将来的にはSDGs委員会を内包するなど、全社横断的な事業開発室として機能する組織にしたいと考えています。また、同委員会では、SDGsの目標と2016年度より本格運用しているマテリアリティ(重点課題)の関連づけを行いました。社会と共に持続的な成長を遂げることを目標に、今後もSDGsを積極的に経営に組み入れていきます。

SDGsを意識することで、従業員一人ひとりが日々の仕事を通じて社会に貢献していると実感できることは、リンテックグループのあるべき姿として私が目指すところであり、非常に大切なことだと考えています。

マテリアリティ(重点課題)

  • * SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2015年9月に国連で採択された、17の目標と169のターゲットで構成。

「至誠」の精神でガバナンスの強化に注力

CSR活動はイノベーションを推進する「創造」のエンジンとして働く一方で、法令遵守や人権の尊重といった「至誠」の徹底にも大きな力を発揮します。現在、重要課題として力を注いでいるのはガバナンスの強化です。

当社は監査等委員を議決権のある取締役として任命し、取締役会の監督機能を高めることによりガバナンスの充実と経営の効率化を図っています。現在、15人の取締役(監査等委員4人含む)のうち4人を社外取締役が占めています。

また、品質データの改ざんや情報漏えいなど、事業に影響するリスクが顕在化する前に芽を摘むべく、本部長ほかから成る「全社リスク管理委員会」を設置しました。この委員会の活動と並行してBCMS*をアップデートすることにより守りを固めています。

「LIP-2019」で掲げた“地域戦略の強化”を推進し、グローバルに事業を展開するうえでは、海外のグループ会社に対するガバナンスの強化も欠かせません。そのためには、現地で日常的にガバナンスをチェックできる体制を構築することが重要です。北米においては統括会社であるリンテック・USA社の機能を高めて、米国内にあるグループ会社のガバナンスを強化してまいります。

また、倫理や道徳の在り方が異なる国や地域に向けて、社是である「至誠と創造」および「LINTEC WAY」を浸透させるべく、CSR推進室が中心となって勉強会などを継続的に実施しています。

リンテックグループ全体で倫理観を共有してCSR活動に取り組むことが、新たな価値を創造するイノベーションにつながるものと期待しています。

  • * BCMS:Business Continuity Management System(事業継続マネジメントシステム)の略称。企業の重要な製品またはサービスに重大な影響を与えるインシデント発生の際に「事業を継続」するため、組織の現状を理解して事業継続計画を策定し、演習により計画の実効性評価を行い、システムを運用するマネジメント手法。

継続的かつ革新的な取り組みによりさらなる環境への貢献を目指す

「LIP-2019」の重点テーマの一つである“持続可能な社会の実現に向けた取り組み”において、長年にわたり取り組み続けているのがCO2排出量の削減です。昨年度はCDP*の質問書にも回答し、投資家や評価機関への開示につなげています。CO2排出量については、生産工程の効率化や再生可能エネルギーの導入とイノベーションにより環境目標達成を目指していきます。

  • * CDP:2000年に設立された「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」を前身とし、企業に環境分野(気候変動・水・森林など)の情報開示を求め、分析レポートの発行を続けている国際NGO。

ダイバーシティの推進によりイノベーティブな人材を育成

政策としても注目されている“働き方改革”では、2016年度に設置した「ダイバーシティ促進検討委員会」を中心に、女性の活躍促進、仕事と介護の両立支援に向けた人事制度の改定などに取り組んでいます。「業務改革推進プロジェクト」を立ち上げたのも、全社を挙げて“働き方改革”をより強力に推進していくためです。しかし、女性の管理・監督職登用などにおいては、海外グループ会社が進んでいる面も多く、国内での取り組みがやや遅れている状況にあります。

グローバル企業として、世界基準のダイバーシティをグループ全体で実現し、性別や国籍にこだわらず個性を尊重する環境を整えていかなければなりません。そうした風土で育ち、リンテックグループで働くことに誇りを持てる人材こそが、イノベーションを創出する力となるのです。

社是「至誠と創造」を根幹にしたCSR活動で社会課題の解決に貢献

CSR活動の根幹に位置し、原動力となっているのは社是に掲げている「至誠と創造」です。「至誠」に基づく倫理観は、ガバナンスを含むCSRに求められる理念そのものであり、そこから生まれるイノベーションは「創造」を具現化したものといえるでしょう。

今後もステークホルダーの皆様の期待に応えるべく、本業を通じた社会課題の解決に貢献し、さらなる成長に向けて歩み続けます。

本レポートは社会の皆様、そして全従業員にもリンテックグループのCSR活動をより良く理解していただくために、2017年度の成果をできるだけ分かりやすく体系的にまとめました。

皆様の変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。