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環境負荷化学物質の削減

国内外における環境関連法令や各種規制を遵守し、環境に負荷を与える化学物質の削減に努めています。

PRTR法*への対応

リンテックが2016年度に届け出たPRTR対象物質は9物質で、総取扱量は7,826tでした。取扱量が最も多かった物質はトルエンで、その取扱量は7,730tとなり、前年取扱量(7,436t)より294t増加しました。2016年度のトルエンの大気への排出量は471tで前年度排出量(441t)より30t増加しましたが、移動量は467tで前年度(494t)より27t減少しました。

2016年度 トルエンの排出量・移動量
トルエンの排出量・移動量(2014年度)
  • PRTR法 : Pollutant Release and Transfer Register (化学物質の排出・移動量)の届出制度を法制化したもの(特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律)の略称。化学物質の排出量・移動量に関するデータを把握・集計し、国に報告して公表される仕組み。

剝離剤の無溶剤化率向上

剝離紙および剝離フィルムの大きな役割は、粘着製品が貼付されるまでの間、粘着剤面を保護することにあります。また、粘着剤の種類に応じた剝離力調整や機械貼り、印刷・抜き加工に対応するため、剝がしやすさも重要となります。一般的に剝離剤としては、シリコーンが用いられており、紙・フィルム基材に剝離剤を塗布しています。

リンテックでは、VOC*の大気排出量削減を目的に、工場と研究所において、剝離剤の無溶剤化および高濃度化に取り組んでいます。2016年の剝離紙の無溶剤化率は56%(生産量ベース)で、前年度からほぼ横ばいとなりました。

研究所では、さらなる無溶剤化率向上を目的に、剝離剤の構造から着目し、用途に合わせた設計開発を行っています。また、各工場と連携しながら、コーティング技術の深耕にも努めています。

今後も引き続き、設計開発およびコーティング技術の向上を図り、環境負荷の少ない製品開発を進めていきます。

  • VOC : Volatile Organic Compoundsの略称。大気中で気体状となる有機化合物の総称。

化学物質管理、 EUにおける各種規則への対応

リンテックでは、購入原材料について環境負荷物質含有調査を実施し、必要な情報をお客様に開示しています。製品についてはGHS*1に対応したSDS*2の発行を推進。また、環境規制が厳しくなるEUにおける各種規制への対応を進めています。2016年度は、お取引先への調査対象環境負荷物質リストを更新しました。
REACH規則*3やRoHS指令*4における制限物質増加への対応も考慮し、製品含有化学物質の管理(現在の規制対象物質は約6,000物質)をさらに強化していきます。

製品情報提出の流れ
製品情報提出の流れ
  • *1GHS:Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の略称。化学品の危険有害性に関する国際的な危険有害性分類基準と表示方法に関する仕組み。
  • *2SDS:Safety Data Sheet(安全データシート)の略称。有害性のおそれがある化学物質を含む製品をほかの事業者に譲渡または提供する際に、対象化学物質の取り扱いなどに関する情報を提供するための文書。
  • *3REACH規則:EUの化学物質規制で、化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規制の略称。EU諸国への化学物質を年間1t以上輸出する場合に登録が必要。また、製品中に認可対象候補物質に該当する化学物質を0.1%以上含有する場合は届け出が必要。
  • *4RoHS指令:電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についてのEUによる指令。

災害や化学物質の漏えい事故などを想定した訓練

リンテックグループの化学物質を取り扱う工場、研究所では、化学物質の漏えい事故を想定した訓練を実施しています。訓練の目的は、化学物質の漏えい事故が発生した時の対応を習得することはもちろん、仮に漏えいが発生した場合にも工場敷地外に流出するのを防ぎ、土壌汚染や火災などを発生させないこと、従業員が安全に処理することです。
2016年度は三島工場、吾妻工場、熊谷工場、小松島工場、千葉工場、龍野工場、伊奈テクノロジーセンター、研究所、新居浜加工所など各事業所で訓練を実施しました。

PCB*の適正管理

リンテックでは、PCBを含む廃棄物を適正に保管・管理しています。2016年度は高濃度PCB廃棄物を1台、低濃度PCB廃棄物13台を処分しました。高濃度廃棄物は処分待ちのものもありますが、継続して法令に基づき厳重に保管・管理していきます。

2016年度 PCBの適正保管・管理状況
事業所名 PCB廃棄物
保管台数(台)
処理施設 委託処理
登録年度
処理完了
予定
熊谷工場 24 日本環境安全事業(株)
東京事業所
2005年度 未定
龍野工場 14 蛍光灯安定器
日本環境安全事業(株)
北九州事業所
2015年度 未定
研究所 38 蛍光灯安定器
日本環境安全事業(株)
北海道事業所
未定 未定
合計 76 (高濃度20台、蛍光灯安定器56台)
  • PCB:ポリ塩化ビフェニルの略称。PCBを含む廃棄物については、PCB特別措置法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)により、その適正な保管・管理・処理が義務づけられている。

VOC(揮発性有機化合物)の削減

無溶剤化率の推移

リンテックでは、VOCの削減を推進しています。製品設計時には、VOCのうち有機溶剤使用量の削減に向け、剝離紙に用いる剝離剤と印刷関連粘着製品に用いる粘着剤の無溶剤化を進めています。2016年度の剝離紙の無溶剤化率(生産量ベース)は56.2%、印刷関連粘着製品の無溶剤化率(販売量ベース)は73%でした。無溶剤化率はほぼ横ばいで推移していますが、環境配慮製品の利点や環境保全をアピールし拡販を推進していきます。また排ガス処理設備の設置も完了していますが、引き続き、無溶剤化率の数値管理と排ガス処理設備の確実な運用で、環境負荷低減に努めていきます。

印刷関連粘着製品と剝離紙の無溶剤化率
印刷関連粘着製品と剝離紙の無溶剤化率
  • ※1 印刷関連粘着製品の無溶剤化率=無溶剤型印刷関連粘着製品の販売量/印刷関連粘着製品の全販売量×100
  • ※2 剝離紙の無溶剤化率=無溶剤型剝離紙の生産量/剝離紙の全生産量×100
遠藤 秋雄

千葉工場
設備技術課 主任
遠藤 秋雄

VOC削減のためにさまざまな取り組みを実施

千葉工場では、VOCを削減するために、洗浄に使用した有機溶剤を再利用しています。さらに、有機溶剤使用量の削減に向け、溶剤系粘着剤の濃度を高める取り組みを進めています。また、PCBを含む廃棄物については、2016年10月に千葉工場の全ての廃棄物の処分を終了しました。今後も継続して改善に取り組み、さらなる環境負荷低減に努めていきます。