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環境負荷化学物質の削減

国内外における環境関連法令や各種規制を遵守し、環境に負荷を与える化学物質の削減に努めています。

PRTR法*への対応

リンテックが2017年度に届け出たPRTR対象物質は9物質で、総取扱量は7,838tでした。取扱量が最も多かった物質はトルエンで7,752tとなり、生産量が増加したため、前年度より22t増加しました。2017年度のトルエンの大気への排出量は482tで前年度より11t増加し、移動量は483tで前年度より16t増加しました。

2017年度 トルエンの排出量・移動量
トルエンの排出量・移動量(2014年度)
  • PRTR法 : Pollutant Release and Transfer Register (化学物質の排出・移動量)の届出制度を法制化したもの(特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律)の略称。化学物質の排出量・移動量に関するデータを把握・集計し、国に報告して公表される仕組み。

剥離剤の無溶剤化率向上

剥離紙および剥離フィルムの大きな役割は、粘着製品が貼付されるまでの間、粘着剤面を保護することにあります。また、粘着剤の種類に応じた剥離力調整や機械貼り、印刷・抜き加工に対応するため、剥がしやすさも重要となります。一般的に剥離剤としては、シリコーンが用いられており、紙・フィルム基材に剥離剤を塗布しています。

リンテックでは、VOC*の大気排出量削減を目的に、工場と研究所において、剥離剤の無溶剤化および高濃度化に取り組んでいます。2017年の剥離紙の無溶剤化率は55.1%(生産量ベース)で、前年度からほぼ横ばいとなりました。

研究所では、さらなる無溶剤化率向上を目的に、剥離剤の構造から着目し、用途に合わせた設計開発を行っています。また、各工場と連携しながら、コーティング技術の深耕にも努めています。

今後も引き続き、設計開発およびコーティング技術の向上を図り、環境負荷の少ない製品開発を進めていきます。

  • VOC : Volatile Organic Compoundsの略称。大気中で気体状となる有機化合物の総称。

化学物質管理、EUにおける各種規制への対応

リンテックでは、購入原材料について環境負荷物質含有調査を実施し、化学物資の適切な管理・把握により関連法規の遵守およびお客様への情報伝達に努めています。また、REACH 規則*1およびRoHS 指令*2で定められた規制物質の報告義務にも対応しています。さらに、より正確かつ効率的な情報伝達体制を構築するため、2017年度よりchemSHERPA*3への対応準備を進めています。

製品情報提出の流れ
製品情報提出の流れ
  • *1REACH規則:EUの化学物質規制で、化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規制の略称。EU諸国への化学物質を年間1t以上輸出する場合に登録が必要。また、製品中に認可対象候補物質に該当する化学物質を0.1%以上含有する場合は届け出が必要。
  • *2RoHS指令:EUでの電子・電気機器における特定有害物質の使用制限に関する指令。
  • *3chemSHERPA:経済産業省が推奨する製品含有化学物質の情報伝達共通スキーム。製品に含有される化学物質を川上から川下までサプライチェーン全体で適正に管理し、拡大する規制に継続的に対応するための仕組み。

災害や化学物質の漏えい事故などを想定した訓練

リンテックグループの化学物質を取り扱う工場、研究所では、化学物質の漏えい事故を想定した訓練を実施しています。訓練の目的は、化学物質の漏えい事故が発生した時の対応を習得することはもちろん、仮に漏えいが発生した場合にも工場敷地外に流出するのを防ぎ、土壌汚染や火災などを発生させないこと、従業員が安全に処理することです。
2017年度は三島工場、吾妻工場、熊谷工場、小松島工場、千葉工場、龍野工場、伊奈テクノロジーセンター、研究所、新居浜加工所など各事業所で訓練を実施しました。

PCB*の適正管理

リンテックでは、PCBを含む廃棄物を適正に保管・管理しています。2017年度は高濃度PCB廃棄物を38台(研究所保管分)処分しました。高濃度廃棄物は処分待ちのものもありますが、継続して法令に基づき厳重に保管・管理していきます。

2017年度 PCBの適正保管・管理状況
事業所名 PCB廃棄物
保管台数(台)
処理施設 委託処理
登録年度
処理完了
予定
熊谷工場 24 日本環境安全事業(株)
東京事業所
2005年度 2018年度
龍野工場 14 蛍光灯安定器
日本環境安全事業(株)
北九州事業所
2015年度 2019年度
合計 38 (高濃度34台、水銀灯安定器4台)

  • PCB:ポリ塩化ビフェニルの略称。PCBを含む廃棄物については、PCB特別措置法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)により、その適正な保管・管理・処理が義務づけられている。

VOC(揮発性有機化合物)の削減

無溶剤化率の推移

リンテックでは、VOCの削減を推進しています。製品設計時には、VOCのうち有機溶剤使用量の削減に向け、剥離紙に用いる剥離剤と印刷関連粘着製品に用いる粘着剤の無溶剤化を進めています。2017年度の剥離紙の無溶剤化率(生産量ベース)は55.1%、印刷関連粘着製品の無溶剤化率(販売量ベース)は73.7%となりました。無溶剤化率は例年ほぼ横ばいで推移しています。
リンテックでは、企業による大気汚染防止の観点からさらなる削減の重要性を認識し、対策の立案と実行を推進しています。排ガス処理設備の設置は完了していますが、引き続き、確実な処理設備管理、無溶剤化率の数値管理、無溶剤化製品の開発・拡販などを実施し、さらなる環境負荷低減に努めていきます。

印刷関連粘着製品と剥離紙の無溶剤化率
印刷関連粘着製品と剥離紙の無溶剤化率
  • ※1 印刷関連粘着製品の無溶剤化率=無溶剤型印刷関連粘着製品の販売量/印刷関連粘着製品の全販売量×100
  • ※2 剥離紙の無溶剤化率=無溶剤型剥離紙の生産量/剥離紙の全生産量×100
遠藤 秋雄

リンテック・コリア社
設備技術課 課長
張 大中(ジャン・デジュン)

VOC処理設備を新設し、法改正に対応

韓国では2015年に「大気環境保全法」が改定され、排出施設以外で発生する揮発性有機溶剤が含まれた空気も規制対象となりました。リンテック・コリア社は、クリーンルームから低濃度で排出されるVOCを処理するため、濃縮機2台、排ガス処理装置(RTO式)1台を新設して2016年11月より稼働させています。2017年度のVOC排出量は2016年度より約7t削減されました。今後も継続してVOCの削減に努めていきます。