サステナビリティレポート2024
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TOP MESSAGE06 私自身イノベーションは、魔法の杖でもなければ起こすことができないのではないかと考えたり、これまでやってきたこととは全く別のものを創り出すことと思っていた時期もありました。休日など業務以外の時間を使い、知識が足りない中で未知のものを生み出すことはかなり難しいとも考えていました。そのような思案をしている中で、イノベーションとは既存技術や活動の先にあるという経済学者のシュンペーターが提唱するイノベーション理論に触れ、現業を掘り下げることが新たな価値の創出につながる可能性を持っていると感じました。 徹底的に極める、そのプロセスの中で仮に方向が1ミリずれてしまったとします。しかし、そこをさらに探求したところに予期しない副産物が現れる。それがイノベーションだと私は考えます。つまり、自身の業務や活動を地球の裏側まで掘り下げていくような気持ちで徹底的に追求することがイノベーションにつながるのです。 当社グループの歴史を振り返ると、四つの基盤技術*を駆使し、それをさらに深掘りしていくことで時代の変化に対応してきたといえます。自社の基盤技術を追求していったことでイノベーションに必要なスピード感をもって製品開発をすることができたのです。そういった歴史のある会社だからこそ、現業を掘り下げていくことでサステナブルな企業になれると考えています。* 四つの基盤技術 : 「粘着応用技術」「表面改質技術」「特殊紙・剥離材製造技術」「システム化技術」 リンテックが誰からも評価され信頼される会社であり続けるためには、グループ全従業員が一丸となる必要があります。そのためには、地域や文化の違いを超えて「相手をリスペクトすること」が重要だと私は考えます。例えば、グループ全体に情報発信する場合、受け取る相手に合わせ、伝え方を変えることが⼤切です。どのように発信をすれば十分に伝わるのかが難しく、いつも本当に悩みますが、その悩むということ自体が相手へのリスペクトの一つと考えています。営業として世界中を駆け回っていた時、リスペクトの精神を持って必死に相手とコミュニケーションを図る努力をしてきました。その結果、現地の方々と良好な関係を構築できたという経験は、⼤きな自信となりました。相手をより理解しようとするところに信頼関係、人間関係が生まれます。そのためには、相手へのリスペクトを忘れないことが何より重要なのです。それぞれの仕事を地球の裏側まで深掘りすれば、自ずと見えてくるものがある一人ひとりが自らの仕事を突き詰めることでサステナブルな企業へ日々の活動の先にイノベーションありグループ全従業員が一丸となるために相手を思いやり、そして考える

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