安東 弘樹 (あんどう ひろき)1967年神奈川県生まれ。フリーアナウンサー。1991年にTBSテレビに入社後、報道やバラエティなど、さまざまなテレビ・ラジオ番組を担当。自動車運転免許を取得した19歳から現在までに、45台以上のクルマを乗り継ぐ経験と知識を生かし、活躍の場を広げている。現在はTBSラジオ「UP GARAGE presents GARAGE HERO’s〜愛車のこだわり〜」、TOKYO MX「バラいろダンディ」、テレビ東京「ミライの歩き方」、bayfm78「MOTIVE!!」など多くのテレビ、ラジオ番組で活躍。2017年より「日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」選考委員。物事を評価するうえでは配慮や忖度のない批評が必要だという安東さん。リンテックも株主・投資家の皆様からのさまざまな声を受け、それにお応えすることで、企業価値の向上と持続的成長を目指していきます。11は感情的になり、「この部分は全く理解出来ない」「メーカーの妥協を感じる」などの表現が見受けられ、時には“disgusting”(不快である)という言葉を使う場合もあります。日本のジャーナリストが忖度している訳では無く、「文化の違い」という部分もあるとは思いますが、メーカーの広報が近くにいても、諸外国のジャーナリストはお構いなしです。また電気自動車の航続距離を測る、といった数字で見せられる検証などは、実際に満充電からバッテリーが完全に空になって車が止まってしまうまで走らせ、その距離を測ります。メーカーとしては車に負担が掛かるため、そんな検証はさせたくないでしょうが、特に欧米ではユーザーの為の検証を邪魔する事は出来ない、という「文化」を感じます。日本では何故かジャーナリストが配慮して、メーカーが嫌がることはしません。むしろ一般のユーザーが自らの所有車を使ってメーカーに遠慮せずに欧米ジャーナリストの様な検証をしている状況です。皮肉な事にCOTY選考委員の私が一般の方の動画を参考にする事がある位です。私は選考委員ではありますがジャーナリストではありません。しかし同様の役割を果たすべきだと思っていますので、この状況を打破すべく、少しずつ、行動で示しているつもりではあります。そしてこれはエンターテイメントの世界では更に顕著で、現在放送映像メディアで、映画や舞台、音楽ライブなどの批評を目にする事は希有になりました。数十年前までは、確かに辛辣な批評を目にする事もありましたが、現在は、この世界でも一般の動画投稿者が、その役割を果たしています。そもそもインターネットの時代に「批評家」が必要かどうか、という論調も理解できますが、一般の方より知識も経験も多いはずの批評家の言葉が「必要ない」とは思えません。だからこそ、配慮や忖度を完全に廃した批評が必要なのではないでしょうか。自戒も込めてしたためました。
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