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スペシャルレポート研究開発本部 研究所製品研究部 副部長小おの野義よしとも友2013年度比で50%以上削減バイオマス素材を利用し、無溶剤処方で製造したシール・ラベル用粘着製品62030年2050年リンテックグループのCO2排出量削減目標CO2排出量の削減に向けて この10月、当本部内にCNCを含む革新的な研究開発を リードするチームを新たに立ち上げ、私がリーダーを務めることになりました。当社では粘着剤や剝離剤の塗工に石油由来の有機溶剤を使用することが多いのですが、塗工後の乾燥工程で発生するガスを燃焼処理する際に多くのCO2が排出されることから、製品の無溶剤化が最重要課題となります。また、当社製品の表面基材に使われるプラスチックフィルムや粘着剤も石油由来の材料ですから、これらを植物由来のバイオマス素材や生分解性素材に転換していくことも重要です。こうした観点から、従来の素材や処方を変えながら製品性能を高める研究開発を強化しているほか、CO2を材料にした粘着剤ができないかといったことも検討しています。脱炭素を前提に製品の高付加価値化を図ることが不可欠であり、将来的には当社製品全体を環境配慮製品と呼べるようにしていきたいと考えています。脱炭素への取り組み 研究開発の主要テーマの中でも特に重要なのが、持続可能な社会への貢献です。CO2などの温室効果ガスの排出を抑える脱炭素への取り組みが世界的に広がっており、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。当社グループも2030年までに2013年度比でCO2排出量を50%以上削減し、2050年にはこれを実質ゼロにすることを目標に掲げています。 研究開発本部では、今期から“カーボンニュートラル・チャレンジ(CNC)”というスローガンの下、CO2排出量の削減に向けた開発活動を強化しています。同時に脱プラスチックを目指し、フィルム使用量の削減やプラスチック代替素材を用いた製品開発にも積極的に取り組んでいます。実質ゼロ

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