リンテックエッセーESSAY10渡辺 えり人との会話を楽しむのが好きだ。話している相手の笑顔を見ると、本当に幸せな気持ちになる。逆に苦しそうな顔や無表情な顔を見ると、胸がえぐられるような感覚に襲われる。コロナ禍でマスクを掛けた人たちとのオンライン会議が増え、冗談を言って笑わせたりできない議題も多くなり、その場から逃げ出したい気持ちを抑えながらの会議が続いている。小学校に入学する前の5歳くらいの時、近所の子供たちを集めて民話の一人語りをしていた。真理ちゃんという目が大きくて足の長い、同じ年くらいの女の子の家に集まって話していた。当時は畳敷きの家が多い中、真理ちゃんの家には洋室があり、海の底のような青い絨じゅうたん毯が敷かれていた。子供たちは体育座りで、私は落語家のように正座して、「最もがみ上のへっぴり長者」を代表とするいくつかのお気に入りの山形の民話を話して聞かせるのだった。どうしてこの会が始まったのかは忘れてLINTEC 笑顔のために
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