WAVE83
12/24

木久扇一門、コロナ時代に立ち向かう!ESSAYエッセーリンテック LINTEC 林家 木久扇新型コロナウイルスの影響で、上野鈴本演芸場、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場などで予定していた多くの寄席が休席になり、私たち落語家は収入の道が断たれてしまった。私も落語家生活60年を過ごしてきたが、こんな時代には初めて直面した!えらい事になったものだ。私は小学1年生の時に空襲を体験していて、昭和20年3月の東京大空襲では、日本橋の実家が焼けた。とにかく毎晩のようにおばあちゃんの手を引き、小学校の地下の防空壕へ逃げ込んで空襲をよける日々で、子供心にいつも死と向き合ってきた。そして現在の新型コロナウイルス。人為的な戦争ではないにしても、この疫病は世界中に広まっている。しかし、制限はされていても交通機関は動いているし、どうしても必要な対面での打ち合わせもある。とにかく細心の注意を払って対処するしかない。そこでコロナ禍で時間の余った私の生き方。まず、以前から企画していた2冊の単行本を書いて出版した。1冊は「イライラしたら豆を買いなさい 人生のトリセツ88のことば」という木久扇流の生き方指南本。もう1冊は、雑誌等に連載していた絵と文の「木久扇のチャンバラ大好き人生」。私の心のふるさとは時代劇映画なのであります。また、コロナ禍以前から“ユーチューバー・キクキン”として発信している「キクキンTV」はもう60回を超えて、登録者数も5万6千人に達した。今後は「キクオーTV(仮題)」として発展させる予定。今年3月16日・17日、明治座にて「林家木久扇 芸能生活60周年記念公演」を行い、春風亭小朝、笑福亭鶴瓶各師匠を豪華ゲストに迎えて、2日間の昼・夜を満席にした。そして4月には、「笑点 放送55周年特別記念展」を新宿高島屋で開催。併設された個展では、私の画家としての作品56点がギャラリーに飾られた。私の12

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る