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西尾 取締役会でお二人のご意見をいろいろとお聞きして、改めて気づかされたことや、「その視点は抜けていたな」という反省をしたことは何度もあります。大澤 私たちの発言をきっかけに、社内役員の間で事業部門間の垣根を越えた意見交換が始まるような展開が望ましいと思います。それが正常なやり取りであり、その議論の呼び水として私たちが機能していきたいと考えています。持続的成長に向けて西尾 今後、当社が持続的な成長を実現するうえで、特に何が必要だとお考えでしょうか。大岡 やはりグローバル経営の着実な推進です。そのためにはグローバル人材の育成や海外子会社のマネジメントにきちんと取り組む必要があります。大澤 同感です。国内市場が成熟化する中、海外での売上伸長は不可欠ですから、グローバル人材をどう育てていくか、そして海外子会社のガバナンスをどう強化していくかが大きな課題になってくると思います。西尾 人材育成という面では、従業員を積極的に海外に出向させ、経験を積ませるのが一番の近道です。日本人スタッフお二人いて、多様な視点からの意見を頂けていると思っています。大岡 大澤さんが言われたように、当社の非独立の社外役員は、実際には私たちと同じくらい客観性を持って意見されていますから、現状の4人の社外取締役という体制でしっかり機能しているように思います。西尾 ところで、取締役会の雰囲気はいかがですか。社外の方が意見を言いやすい雰囲気になっているでしょうか。大岡 これまで外部の視点で自由に発言させてもらっていますし、社内役員の方からは「社外取締役がその場にいるというだけで違う」といった声も頂いています。私はかつて銀行で企業分析や資産分析などに携わり、グローバル化時代の企業の国際競争力についても多少なりとも勉強してきましたので、そうした経験から気づいたことや疑問点などをお伝えするようにしています。大澤 私の場合、M&Aや企業法務に携わる弁護士としての専門的な意見を求められますが、それに加えて、投資家の方々と同じ目線で「これはどうしてですか」「その投資のリスクとリターンは見合っているのですか」といった素朴な疑問を社内の方にぶつけて、納得できる説明を引き出すことも大切な役割だと思っています。スペシャルレポート6

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