統合報告書2025
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△112024 印刷材・産業工材関連セグメント売上高億円2,00000000500 電子・光学関連セグメント売上高億円1,000(3月期)(3月期)20222023202220232022202320222023400330332200202220232022202420252026(3月期)(予想)20252026(3月期)(予想)202420252026(3月期)(予想)202420252026(予想)335350359202420252026(3月期)(予想)202420252026(予想)1,7331,3241,000403014–4091478150019212510010△172023–301,6901,8461,865554996394673918517811713セグメント営業利益(損失)億円80セグメント営業利益億円200セグメント営業利益(損失)億円30 1 一貫生産体制 当社は粘着剤の開発・塗工だけでなく、剥離紙用原紙の生産や剥離剤の開発・塗工、そしてベースとなる紙やフィルムにさまざまな機能を付与する表面改質加工までをトータルに手がける粘着製品の一貫生産体制を確立しています。具体的には、洋紙事業部門が剥離紙用原紙を生産して、加工材事業部門に内販。加工材事業部門は原紙に剥離剤層を付与した剥離紙を印刷情報材事業部門や産業工材事業部門に内販、印刷情報材事業部門や産業工材事業部門が最終的な粘着製品に仕立てお客様へ販売します。納期面での優位性を確保できることはもちろん、“川上から川下”まで全ての工程をカバーする技術力を武器に、お客様のニーズに応えられる多彩な製品を独自に生み出すことができるのです。 P.3 2 安定的な収益確保 六つの事業部門は特定の産業界に依存することなく、販売先が幅広い顧客層に及んでおり、景気や市況に業績が左右されにくいことも特徴です。近年はAI関連投資に代表される半導体関連市場の活況を受けて、アドバンストマテリアルズ事業部門が注目されていますが、主力製品のラベル用粘着紙・粘着フィルムは食品や流通・通販、日用品、自動車、医療・医薬、家電製品まで用途が幅広く、業績の振れ幅が比較的小さいため、業績の下支えとなっています。こうした事業構造を採用しているため、新型コロナウイルス感染症拡大、米中貿易摩擦といった不安定な経済市況に直面しても、営業赤字を計上したことは過去に一度もありません。39 洋紙・加工材関連セグメント売上高億円事業セグメント業績推移 抜本的な構造改革による事業ポートフォリオの最適化 上述した一貫生産体制のコスト優位性を高める意味でも、当社では既存事業の収益改善を最優先課題として認識しています。各事業の競争環境や収益性などを見極めた結果、2025年3月期にはオプティカル材事業部門において偏光板の粘着加工事業を手がけていた韓国・台湾の生産子会社を解散。加えて、洋紙事業部門においても固定資産の減損損失を計上するなど、事業ポートフォリオの最適化の観点で収益改善を図りました。なお過去を振り返ると、低収益事業にメスをいれてきた歴史があります。医療用粘着製品などを手がけていたヘルスケア事業部門を2011年4月に印刷情報材事業部門に統合したほか、2017年には米国子会社の経営合理化を目的に太陽電池用バックシート事業から撤退。2018年にもラベル用印刷機などの製造・販売を手がけていた中国子会社を解散しました。このように“決断と実行”の経営判断がその時折でなされています。当社は2024年3月期から事業部門別のバランスシートを半期ごとに作成・分析していますが、その結果として固定資産や回転率に関する課題が浮き彫りとなりました。そこで各事業部門長と協議のうえ、事業部門ごとのKPIを設定し、2025年3月期から改善に向けた改革に本格的に乗り出しています。そのほか、事業統括本部内には既存事業の枠を超えた新事業の創出を目指す組織も設けており、持続的成長に向けて次世代の収益の柱を生み出す動きも加速しています。

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