統合報告書2025
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 4月に総務・人事本部長に就任しました。長期ビジョン「LSV 2030」で掲げた経営目標を達成するためには、事業戦略と人材戦略を両輪で回していくことが不可欠です。当社では、営業・研究・生産現場が三位一体となって取り組んでいくことで、お客様のニーズに迅速かつきめ細かに対応することを強みとしています。これまでコーポレート部門は「縁の下の力持ち」として、これら最前線で奮闘する社員をさまざまな側面から支援してきました。今後はより密接に経営戦略などの議論に加わることで、事業戦略と人材戦略の両輪が真に正しく機能するように“四位一体”の改革を進めていきたいと考えています。 「LSV 2030-Stage 2」の初年度となった2025年3月期は、従業員サーベイの継続実施による職場環境改善や人事システムにおけるDX活用、生産現場の人材確保などを目的としたアルムナイ・キャリアリターン制度およびリファラル採用の導入などを実施しました。2026年3月期は前期からの 企業価値向上へ人的資本経営を推進 当社グループにとって、人材は最も重要な資本であり、価値創造の原動力に他なりません。社是「至誠と創造」を軸に、部門の壁を越えてグループ全社員が一丸となれる団結力、従業員一人ひとりの多様性を尊重する伝統的な企業風土が、世界でたった一つの画期的な製品を次々と生み出し、成長を遂げていこうとする当社を常に支えてきました。今はVUCAの時代と呼ばれるように、先行きが不透明で将来予測が難しくビジネス環境は絶えず変化します。当社はこれまでの歴史の中で培ってきたこの企業風土を受け継ぎながらも、新たな課題に積極果敢に挑戦し、会社に変革をもたらす人材の育成を重視しています。谷 健継続施策をブラッシュアップして、目指す姿への達成確度を高めるほか、世界で活躍できる人材の育成などを通じて当社のグローバルでのプレゼンスをさらに強化していきます。 継続施策をブラッシュアップする観点では、「人的資本経営のストーリー化」に関する深化と検証を進めます。人材戦略の達成に向けては、KPIとそれに対応した施策を項目ごとに設けていますが、その関係性を今一度精査することで、人材戦略の実効性を高めます。また、当社独自のジョブ型雇用の枠組みを検討しています。EUV露光機用CNTペリクルの量産体制確立に向けた取り組みが良い例ですが、当社は積極的に新製品や新事業の創出に打って出ています。こうした新規の事業化を成功に導くには、さまざまな経験や知見を持つ多様な人材が集い活躍する企業でなければなりません。ジョブ型雇用の検討などを通じ、キャリア採用での当社の競争力強化や従業員の多様な働き方の構築などを思考していきます。取締役専務執行役員 総務・人事本部長幅広い知識・センスに加え、専門性を持った「山型人材」の育成を目指した人材育成プログラムを導入。各社員の意欲を最大限に引き出し、自発的なキャリアデザインを支援するもので、社員の声を基に“自立開発型”研修体系*2として進化を続けています。*1 ベースアップは査定昇給を含んだ労働組合員平均、昇給率は基準内賃金ベース *2 2025年3月期の従業員一人当たりの研修費用:13,894円(前期比79.7%増)[単体]362026年3月期のベースアップ約24,000円、昇給率は前期比約7.4%*1となりました。従業員のモチベーションアップによる業績向上や人材採用面の競争力強化などを目的としています。戦略資本強化戦略社員たちの「最重要かつ最強のサポーター」でありたい。社長である私の役目とは、何よりも社員が働きやすい環境を整え、それぞれの経験・知識・技術が最大限に発揮されるような仕組みをつくること。経営トップの人材戦略へのコミットメント本部長メッセージ積極的な人的資本投資“山型”の人材育成かいやたけし人的資本経営の深化と検証で 人材戦略の実効性を向上します海司人材戦略

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