Smart Factory Database基幹システム(営業)生産計画生産❸生産管理❺自動生産ライン34える影響を解析するなど、研究員の経験や勘だけに頼らない開発手法を取り入れることで、最短ルートで発揮したい性能を実現することに成功しました。さらにAI活用では、ビッグデータから抽出した市場課題を当社の技術と掛け合わせ、解決策となるアイデアを深掘りすることを協業先と始めました。また、研究員が知りたい特許情報などについていくつかのキーワードを入力することで膨大なデータの中から精査・厳選する作業でもAIを活用しており、研究員が事務的作業にリソースを割かれることなく研究開発に集中できる環境整備につなげています。積層セラミックコンデンサ関連テープの新規設備2ラインを導入した際、受注から出荷までを自動化するスマートファクトリー化を展開しました。品質管理の強化に向けてはAIを本格導入して、原材料の受け入れから製品出荷まで全プロセスのデータ管理を一元化。これにより、ある製品に品質不具合があった場合、どの製品に同じ原材料が使われているかなどを即座に把握できるような体制となっています。戦略資本強化戦略 当社が長期ビジョン「LSV 2030」の実現やマイルストーンとする中期経営計画の達成のための手段として重視しているのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。生産本部や研究開発本部における先行的な取り組みに加えて、2022年10月には幅広いプロセスの業務改革およびデジタル人材育成の土台づくりに向けて、全社横断的なDX推進プロジェクト「LDX 2030」も発足しました。最大の経営資源である「人材」の力を引き出し、厳しい経営環境にあっても成長の原資となる利益を確保できる強靭な企業体質へ、磨きをかけていきます。 研究開発本部におけるDX事例 研究開発本部では、2022年4月に新設したイノベーション推進部が中心となり、DXを先導しています。2025年3月期までに各種システム・ツールのインフラ整備はほぼ完了しており、今後は機械学習やAIなどを本格的に利用するフェーズに突入します。2025年3月に上市したラベル素材の新製品「RE CHILL」は、機械学習ツールを利用した製品開発の一例です。同製品は繰り返し使用するための粘着力と再剥離性を両立させるため、粘着剤の最適な処方比率を導き出すことが、開発における最大のテーマとなりました。機械学習ツールを活用して粘着剤の材料種が性能に与 生産本部におけるDX事例 生産本部では、DXを取り入れて製造から品質検査、間接業務に至る全工程・全作業のプロセスを再構築することを目指しています。この狙いは国内の少子高齢化や人口減少に伴い、労働力の確保が困難になっている社会的背景も関係しますが、生産現場の体質強靭化を通じてお客様からの信頼に応え続けたいという“攻めのDX”の表れでもあります。三島工場・土居加工工場(愛媛県)はDXによる製造力強化を実践している工場の一つです。土居加工工場では 土居加工工場の スマートファクトリー化 イメージ❹サプライヤー発注出荷入庫実績生産・出荷指示原材料投入自動化連携機械の異常検出投入実績生産実績受注❷営業検査梱包発注製品の不具合検出品質データ出荷実績出荷注文連携基幹システム(工場)❶顧客❻納品DX戦略
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