統合報告書2025
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分析システムを導入し、知的財産戦略の構築に活用 近年では、知的財産情報を分析して経営に活用するIPランドスケープの考え方に基づいて、技術・事業戦略の意思決定を支援するため、IPランドスケープの実施件数をKPIとして設定し、継続的な取り組みを推進しています。これにより、特許情報をはじめとする外部知財データを分析・可視化し、社内関係部門へのタイムリーな情報提供を実現。 知的財産権の拡充に向けて 当社では顧客ニーズに応える独創的な製品の開発を通じて企業価値の向上に努めており、これらの開発活動によって得られた特許権・商標権・意匠権などの知的財産を重要な経営資源と位置づけています。知的財産部では独自技術や製品の保護を意識した出願を行い、複数の技術分野に活用可能な権利範囲を作成するなど、知的財産権の拡充に向けた取り組みを推進。近年の海外売上高比率の増加に連動した特許保有件数を確保しています。世界各国における将来の市場性ならびに当社の製造拠点などを考慮しながら、半導体関連製品については特にアジア地域に注力し、グローバルな特許網を構築しています。また、「Wウェルサートelsurt®」に代表される新規事業関連の保有特許比率が2022年以降増加しており、新しい分野への知的財産投資を推進しています。他にも、無溶剤、3R(リデュース、リユース、リサイクル)、バイオマス、生分解、省エネ、ハロゲンフリー、(3月期)202120222023など三者間の連携知的財産戦略20242025事業方針に沿った 知的財産戦略7611.7%12.7%13.2%技術戦略事業戦略知的財産部6,0004,0002,000テクノロジーセンター 知的財産情報を 生かした 提案& サポート0• 研究所• 伊奈テクノロジーセンター• ナノサイエンス& 32CO2排出量削減などの環境対応出願の件数を年々増やしています。地域別特許保有件数/ 保有特許全体に占める新規事業関連特許の割合件8,000 日本  アジア  欧米その他 新規事業関連特許※ 2022年3月期以前の新規事業関連特許は集計方法が異なるため記載を省略社は、事業戦略と知的財産戦略を一体的に推進し、持続的な成長と企業価値の向上を目指していきます。 * まとめ審査:事業化に併せて効率的かつ包括的な権利化を可能にする制度技術動向や競合状況の把握を通じて、研究開発テーマの選定や事業ポートフォリオの最適化に貢献しています。また、分析システムとして特許価値評価システムを新たに導入。この価値評価機能を活用し、特許維持判断の客観性を高めるとともに、高評価特許を社内に共有することで出願意欲を喚起し、知的財産の重要性を周知していきます。• 6事業部門• マーケティング部門研究開発・知的財産戦略知的財産戦略 研究開発部門や事業部門とも連携を強化 知的財産部では、研究開発部門や事業部門と連携して知的財産情報の共有やアイデアの検討を重ねることで、双方の活動に連動した出願・権利化とポートフォリオの形成を行うなど、グローバルな知的財産戦略を立案しています。研究所には知的財産部員の約半数が特許リエゾンとして在籍し、発明発掘から特許出願までを担うほか、デザインレビュー(DR)やステージ・ゲート・システム(SGシステム)といった研究開発スキームに連動した知的財産活動や研究員向けの知的財産教育にも力を入れています。また、事業部門の拠点である文京春日オフィスにも知的財産部のメンバーが常駐しており、事業部門からの情報収集や連携強化に努めています。 2025年3月期には、注力製品であるEUV露光機用CNTペリクルに関して、「まとめ審査*」制度を活用し、要素技術に関する特許出願を効率的かつ迅速に審査・権利化することで、知財ポートフォリオの構築を実現しました。今後も当研究開発部門リエゾンDR・SGシステムアイデア発想会事業部門リエゾン

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