統合報告書2025
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 「LSV 2030-Stage 2」の中で、当本部では「市場を先読みした顧客と社会の課題解決につながる新製品・新技術の開発」「DXとAIの導入による生産性向上」「イノベーションチャレンジ」を方針に掲げて取り組んでいます。2025年3月期はEUV露光機用CNTペリクルの開発において当社製の製膜機を用いた量産体制の確立を加速したほか、バリアフィルムが電子ペーパー用途で最終評価段階にあり、同時に次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」用途でもお客様による評価が始まるなど、各テーマが大きく前進しました。また、人工知能(AI)や機械学習といったDX関連のインフラ整備が完了。年間の開発テーマのうち、DXの利用率が40%に上り、主要テーマの完成件数も過去最高を更新するなど、開発スピードの向上を実感しています。 2026年3月期も顧客と社会の課題を解決する新製品・新技術の開発やモノづくり力の強化に向けた施策を確実に推進します。 2030年3月期を最終年度とする長期ビジョンを実現するうえで、当本部が担う役割は新規分野・成長分野・成熟分野の各分野において、単なる新製品ではない“収益性の高いヒット商品”を創出することだと考えています。そのために必要なことは「素材開発力」「分析技術力」「プロセス開発力」「技術領域拡大」をそれぞれ強化することです。技術的知見を川上から川下まで拡大・深化させることで、市場競争力が高く他社がまねできないオンリーワンでありナンバーワンの製品開発につなげていきます。マーケット対話型の 研究開発将来を見据えた 研究開発新素材・新技術の調査・研究開発研究開発活動全体の最適化、 新事業創出のための仕組みづくり外部との連携による オープンイノベーション30戦略資本強化戦略研究開発 研究開発体制 当社の研究開発機能が集中する研究開発本部・研究所(埼玉県)では、高精度な試験・分析機器やクリーンルームに加え、半導体関連分野のお客様が実際に使っているものと同等の各種装置も完備。さらに工場の量産設備に近い大型テスト塗工設備を導入し、開発から量産化までをスムーズに行える体制を構築しています。現業に直結する製品開発を行う製品研究部と将来を見据えた研究開発を行う新素材研究部に加え、2022年4月に未踏技術研究部とイノベーション推進部を新設し、約200人の研究員がそれぞれのテーマに励んでいます。 当社は業界のトップランナーであり続けるべく研究開発活動の最適化を常に志向しています。成長分野である半導体関連製品については技術トレンドの変化が激しいことを踏まえ、お客様と対面で会話をしてニーズを的確に把握し、本部長メッセージ製品研究部市場研究所新素材研究部未踏技術研究部イノベーション推進部産官学常務執行役員 研究開発本部長峯みねうらよしひさ先端材料の開発ナノサイエンス& テクノロジー センター(米国)技術的知見を拡大・深化させ “収益性の高いヒット商品”の創出へ浦 芳久研究開発・知的財産戦略

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