統合報告書2025
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半導体関連 粘着テープ積層セラミックコンデンサ 関連テープスマートフォンやAIサーバーなどで需要増加を見込む25 アドバンストマテリアルズ事業部門の2025年3月期のハイライトの一つが、HBM製造用装置について高水準の受注を頂いたことです。同装置は2024年3月期の下期から受注・出荷が始まり、2025年3月期は約90億円の売上高を記録しました。お客様の設備投資には一服感が出ており、受注自体はピークアウトしたと見ているものの、継続的に受注を頂いており、2026年3月期は約40億円の売上高を計画しています。HBM製造用装置が世界の名だたる半導体メーカーから採用された背景には、当社の強みであるニーズを的確に捉え、そのニーズを形にする技術開発力が関係しています。お客様のニーズにマッチする製品を短期間で開発・カスタマイズ・量産化・提供するスキームを武器に、お客様の信任を得ることができました。加えて、世界各地引き続き生成AI関連の需要増加を見込むバックグラインド(ウェハ裏面を研削し、薄型化する)工程で表面を保護し、研削水・研削■の浸入による回路面の汚染を防ぐ基板上にチップを回路面から実装するフリップチップなどの用途で、チップ裏面を保護・補強するにエンジニアが駐在し、装置のメンテナンスやトラブルに対して速やかに対応できる保守体制も他社との差別化要素となっています。2026年3月期はHBM製造用装置の需要は減少する見通しですが、それ以外のウェハマウンターやテープラミネーター・リムーバーといった既存製品は2025年 3月期に引き続き堅調に推移する見通しです。半導体関連装置は今後も需要拡大を見込めることから、各種装置の設計・開発から生産まで手がける伊奈テクノロジーセンター(埼玉県)の再構築にも着手しており、開発・生産能力が大幅に向上します。当社はソフト(素材)とハード(装置)をトータルで提案しており、納品した装置がお客様の工場で本格稼働するフェーズになれば、半導体関連粘着テープの需要も高まる好循環が見込まれます。半導体関連 装置ピークを過ぎ減少ダイシング時には強い粘着力でチップを確実に保持し、UV照射によって弱い粘着力に変化させ、ピックアップ性を高めるダイシング時には通常のダイシングテープと同様にウェハをしっかりと固定し、チップをピックアップする際にはテープの粘接着剤が裏面に転写されるバックグラインドテープチップ裏面保護テープシリーズの半導体関連粘着テープダイシング・ダイボンディングテープダイシングテープUPDOWNHBM製造用の受注がUP2026年3月期のアドバンストマテリアルズ事業部門の主要3製品の売り上げ増減予想(2025年3月期比較)HBM向け装置

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