22成長分野12022年12月期は物流の混乱や原材料高を背景とした旺盛な受注のほか、買収効果などもあり、営業黒字に転換しましたが、以降はインフレ懸念などによって消費が急激に落ち込んだこともあり、受注が大幅に減少。2023年12月期は約32億円の営業赤字となりました。2024年12月期は販売数量も上向き、赤字幅が約20億円縮小したものの、今期世界のラベル出荷量 地域別構成比(2023年) マックタック・アメリカ社は米国、メキシコ、カナダに製造・裁断拠点を持ち、北米を中心に印刷用粘着紙・粘着フィルム事業などを展開しています。独自の粘着剤処方や高速塗工技術などを武器に、北米ラベル市場において確固たる地位を確立。独自の粘着剤処方とは、熱で溶かしながら塗工する常温固形タイプの粘着剤(ホットメルト粘着剤)のことで、塗工時に有機溶剤を使用しないため環境負荷が少なく、乾燥工程も不要なことから製造時のCO2排出量が少ないことが特徴です。当社は、この技術を使用した、凍結・結露面でも強い粘着力を発揮するラベル素材「CHILチル エーティーL AT」を2020年に国内市場に本格投入し、その後も同粘着剤を使 このような相乗効果を発揮している一方、マックタックグループでは買収に伴う約300億円に上るのれん償却負担もあって営業利益面では厳しい展開を強いられています。特に昨今は、為替水準が円安に振れたこともあり、円換算によるのれん償却額は2023年12月期から2期連続で40億円を超えました。マックタックグループの業績を振り返ると、ホットメルトタイプのラベル用粘着製品用した製品ラインアップを拡大。2025年3月には–5℃までの低温環境下でも貼付可能かつ繰り返し貼って剥がせるラベル素材「RE CリチルHILL」を上市しました。お客様からの評価も高く、当社グループの基幹事業である印刷情報材事業とのシナジーも発揮しています。 欧州 北米 日本 中国 その他アジア・太平洋 南米 その他出所:日本のラベル市場2025(ラベル新聞社)戦略戦略 当社は1990年代以降、アジアを中心に海外進出を本格化させ、近年はM&Aなどを通じた北米での展開を加速しており、2025年3月期の海外売上高比率は2015年3月期から約25ポイントアップの63.9%に高まりました。海外売上高の約4割は米国市場が占めており、これは2016年12月、当社グループに北米のマックタック・アメリカ社が加わったことが関係しています。北米は右グラフのとおり世界有数のラベル出荷量を誇り、今後も安定成長が見込まれる市場です。その北米での事業基盤や生産能力を強化・拡大してきたマックタックグループについては、投資家の皆様から同社の収益状況に関する質問がよく寄せられます。ここでは、マックタックグループの強みを振り返るとともに、収益改善の取り組みについてもご紹介します。マックタック・アメリカ社の強み収益改善に向けたアプローチ 北米17.0%北米でのラベル関連事業SPECIAL FEATURE
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