統合報告書2024
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2021202220236,0004,0002,000世界の半導体市場予測億米ドル8,0000345,5595,7415,269三次元半導体研究センター(福岡県)の外観6,8746,1122024(予想)2025(予想) 半導体需要はコロナ禍を契機とするテレワークの浸透などを背景に急拡大しました。“コロナ特需”による反動や在庫調整に起因して、2023年の前半までは需要が減速したものの、2024年以降は生成AIブームが牽引役となり、復調の兆しを見せています。主要な半導体メーカーで構成するWSTS(世界半導体市場統計)は6月、2024年の世界半導体市場が前年比16.0%増の6,112億米ドルに拡大する見通しを示しました。この予測を裏付けるように、半導体メーカー各社が増産投資を加速させています。また、日本企業は半導体製造装置や半導体材料の分野において世界的に高いシェアを有しており、大きな注目を集めています。 当社は2023年9月、福岡県産業・科学技術振興財団が運営する三次元半導体研究センターに入居し、同センター内に研究開発を担う新組織として「実装技術開発室」を開設しました。半導体製造工程は、ウェハに回路を形成する「前工程」と、ウェハをチップに切り分けて配線し、電子部品に組み立てる「後工程」に大きく二分されます。チップの微細化が物理的な限界に近づく中で、複数のチップを積み重ねる三次元実装など後工程に関わる技術革新が、今後の半導体のさらなる性能向上を実現する■となると考えられています。同センターには各種研究設備が備わっているほか、設計から試作、評価・解析までを一貫して行える開発体制が築かれています。「実装技術開発室」には当社の技術スタッフが常駐。三次元半導体研究センターの各種設備や技術力を有効活用し、三次元実装など先端半導体後工程におけるパッケージング技術に関わる新たなテープや装置、独自プロセスの開発を推進します。今後は常駐するスタッフの人員増強を視野に入れるほか、当社の研究所(埼玉県蕨市・さいたま市)との緊密な連携も図り、開発体制の強化を図る方針です。出所:WSTS(世界半導体市場統計)(年)中期戦略 デジタル化の進展に伴い、半導体関連市場が活気を帯びています。この勢いはとどまることなく、スマートフォンやパソコンをはじめとする電子機器の高性能化、電気自動車(EV)の普及、生成AIの拡大などを通じ、今後も 半導体や電子部品の需要は底堅く推移すると見られています。当社のアドバンストマテリアルズ事業部門では、半導体関連粘着テープ・装置、積層セラミックコンデンサ関連テープなどの各種製品を展開しており、高度化するデジタル社会の一翼を担っています。ここでは、当社グループのエレクトロニクス関連製品や成長市場を取り込むための昨今の施策についてご紹介します。拡大する半導体関連市場先端半導体後工程に関わる新製品や独自プロセスの開発を強化半導体関連事業高度化するデジタル社会に貢献SPECIAL FEATURE

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