統合報告書2024
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26 一方、生産能力の増強も大きなテーマです。旺盛な需要が見られる半導体関連では、吾妻工場(群馬県)に粘着塗工機としては世界最高水準の塗布精度を実現した塗工機を組み入れて、半導体関連粘着テープの生産能力を強化しました。加工材事業でも、2025年8月に小松島工場(徳島県)で新たな塗工機が稼働予定。合成皮革に柄を転写する工程紙のラインアップを拡充し、海外での新たなマーケット開拓に生かします。また、従業員の安全確保を前提に、生産ラインの工程自動化や省人化など、工場のスマートファクトリー化を推進します。一部工場では、紙質試験の無人化対応を始めたほか、伊奈テクノロジーセンター(埼玉県)で実績のあるロボット制御技術を応用した検査工程の自動化について検討を開始しました。デジタル技術の活用という点においても、生産現場で収集したデータをAIで分析して生産設備の予知保全の実証テストを始めています。設備・機械のダウンタイム低減によって、生産性や品質、納期遵守率の向上などを実現し、QCD(品質、コスト、納期)をさらに強化します。 私は今、世界が大きな技術革新の時期を迎え、転換点に立っていると考えています。さまざまな施策を通じ、モノづくりの魅力をより一層高めることで、従業員のモチベーションが向上し、イノベーションを起こせる機運を醸成していきます。そして、他社の追随を許さない、最高水準の製品をお客様に提供し続けます。中期戦略生産本部長メッセージQCD強化で最高水準の製品を提供します 「LSV 2030-Stage 1」では、CO2排出量削減に向けて国内外の全生産拠点と定期的に議論を重ねたほか、投資コストを鑑みたうえで省エネ効率の高い新規設備の導入などを進めました。結果、CO2排出量を2013年度比で51.4%削減でき、当初の目標を大きく上回る成果を上げることができました。「LSV 2030-Stage 2」においても、生産設備の統廃合による省エネ促進や3R(リデュース・リユース・リサイクル)、無溶剤化、VOC排出抑制といった各テーマに取り組み、環境負荷低減に貢献できる生産体制の最適化を図ります。取締役常務執行役員  生産本部長兼 品質保証本部管掌兼 環境・安全統括本部管掌松まつお尾 博ひろゆき之生産戦略

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