23 市場の期待に迅速に応えられる研究開発には、DXによる効率化も不可欠です。機械学習やMI(マテリアルズ・インフォマティクス)といったデータサイエンスの積極的な活用で、開発のスピードアップや件数の増加に努めるほか、AIなどのツールを利用した常識に捉われない発想での研究開発を展開します。 絶え間ないイノベーションも重要なテーマです。大学などとの産学連携だけでなく、企業間のコラボレーションを加速して、事業化の確度を高めるほか、海外のグループ会社と共同開発の枠組みを強化する一環で、サテライト研究室の開設を検討しています。グローバルでの研究開発体制を確立し、長期ビジョンの実現に寄与する製品開発につなげていきます。研究開発本部長メッセージ研究開発体制を強化し、 絶え間ないイノベーションを起こし続けます 当本部では「持続可能な社会への貢献と他社の先を行く製品開発の実践」を実現すべく、研究開発に取り組んでいます。2024年3月期はフッ素樹脂不使用の耐油紙をはじめとする多くの環境配慮製品を上市したほか、半導体チップの耐久性や信頼性を向上させる「バンプ保護フィルム」などを開発しました。 今期 (2025年3月期)は成長分野・成熟分野・新規分野の各分野において、顧客と社会の課題解決につながる市場を先読みした新製品・新技術の開発を強化します。半導体・光学関連などの成長分野では、市場を独占できるような新製品開発や事業領域の拡大を図ります。機能性を高めたバックグラインド用高精度表面保護テープの研究を深化させるほか、EUV露光機用CNTペリクルを足掛かりに当社が得意とする半導体製造の後工程以外へも開発の範囲を広げていきます。印刷材・産業工材関連や洋紙・加工材関連などの成熟分野では、高収益化や市場活性化につながる新製品を創出します。また、当社が蓄積してきた独自技術と他社の技術を掛け合わせるオープンイノベーションにより、新たな需要の掘り起こしを狙います。新規分野では、熱電変換・薄型軽量ペルチェモジュールや高周波誘電加熱接着シートといった開発品を1件でも多く事業化へとつなげていきます。常務執行役員 研究開発本部長峯みねうら浦 芳よしひさ久研究開発・知的財産戦略
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