統合報告書2024
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「Stage 2」期間中の 成長投資株主還元約600億円約320億円21属する当期純利益180億円、売上高営業利益率8%以上、ROE(自己資本当期純利益率)8%以上の達成を目指します。初年度となる2025年3月期は、引き続き不透明な外部環境が続くことが予想されますが、販売数量の回復や生成M&Aなどの機動的投資 国・地域、新市場、新領域への展開 「Stage 2」最終年度の2027年3月期までは原則として減配せず 配当性向40%以上またはDOE3%をめどに配当を実施 機動的な自己株式の取得AI向け半導体関連装置の大口受注などにより、売上高は2,900億円、営業利益は180億円、親会社株主に帰属する当期純利益は130億円と増収増益となる見通しです。 また、2024年3月期は事業部門別のバランスシートを半期ごとに作成・分析した結果、固定資産や棚卸資産などの回転率に関する課題が浮き彫りになりました。各事業部門長と協議のうえで事業部門ごとのKPIを設定し、今後は本格的な実行フェーズに入っていきます。社員も自身の仕事と財務指標との相関性について関心を高めつつあり、これまで以上に生産本部や調達本部とも連携を図りながら、全社一丸となって採算性や収益改善に取り組んでいきます。 なお、コスト競争力向上の面でDXの活用は欠かせません。私はDX推進の組織横断プロジェクト「LDX 2030」の統括責任者としても、DXによるビジネスモデルの変革を推進しています。同プロジェクトは、ありたい姿と変革テーマから導き出した業務改革や営業などのテーマごとに6分科会体制で構築され、現在2027年3月期までのロードマップを策定して施策を進めています。資金を投入し、企業価値を向上していく考えです。 設備投資には約600億円を割り当てる計画で、需要が伸びている積層セラミックコンデンサ関連テープや半導体関連粘着テープの塗工設備の増設、小松島工場(徳島県)で 積層セラミックコンデンサ 関連テープ塗工設備 半導体関連粘着テープ 塗工設備 半導体パッケージング技術に関わる新たなテープや 装置、独自プロセスの開発 EUV露光機用CNTペリクル量産体制の構築 環境配慮製品の開発 剥離紙塗工設備 環境関連投資 DX関連投資キャッシュフロー(営業利益+減価償却費 +のれん償却)約1,300億円外部資金調達設備投資ほか研究開発投資収益性・資本効率の改善  2024年3月期はカナダのシール・ラベル用粘着製品の販売会社であるラベルサプライ社の事業を買収した一方で、光学関連製品の製造・販売を行っているリンテック・スペシャリティー・フィルムズ(韓国)社とリンテック・スペシャリティー・フィルムズ(台湾)社の解散を決断しました。偏光フィルム事業においては、昨今の中国企業の台頭などにより、両拠点での業績の回復が見込めないと判断したためです。一部の株主・投資家からは、事業ポートフォリオの最適化の観点で低収益事業の縮小や撤退を含めた厳しいご意見を頂くこともあります。しかし、粘着製品の一貫生産や事業部門間での技術転用・応用を可能とする3セグメント6事業部門体制が当社の強みであり、既存事業の収益改善が最優先課題だと考えています。当社グループでは、収益の改善に向けて、コスト削減や生産性の向上、価格改定などを進めてきました。逆風の中でもやるべきことを実行してきた結果、着実に成果が出始めています。今後も、徹底的な改善を継続したうえで、事業ポートフォリオの最適化を目指していく方針です。持続的成長に向けたキャッシュアロケーション  「LSV 2030-Stage 2」期間では約1,300億円のキャッシュフローを見込んでおり、その使途は研究開発、生産設備、人材、DX、M&Aといった成長投資と株主還元の充実を主な対象としています。必要な投資については戦略的に

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