たまもの 15 当社グループの海外売上高比率は、「LSV 2030-Stage 1」期間中に50%から61%へ大きく向上しました。「LSV 2030-Stage 2」では海外売上高比率を65%まで伸長させる計画ですが、さらなる新市場の開拓と並行して、国内を含む既存市場の収益性向上を図ることが重要な取り組みの一つとなります。 セグメント別に見ていくと、印刷材・産業工材関連では、米国子会社のマックタック・アメリカ社がのれんの償却負担もあって収益貢献が遅れているものの、足元の状況は上向きとなりつつあり、今後改善が期待されます。一方、琳得科(蘇州)科技有限公司を中心とした中国事業の改善には、しばらく時間が掛かる見通しです。 電子・光学関連のアドバンストマテリアルズ事業部門においては、生成AI関連で大きな需要があります。半導体メモリー向けや積層セラミックコンデンサ向け製品も、早ければ今期(2025年3月期)から右肩上がりの展開を予想しています。 洋紙・加工材関連では、脱プラスチックなど環境関連の 当社の社員は、いずれも優秀で士気の高い人たちが■っています。会社の状況を自分事として捉え、今自分が何をすべきか、主体的に考えられる人たちです。人材こそ最大の経営資源であり、各事業部門のトップは、組織の人材を少しでもよく知ろうと、折に触れ努力しています。だからこそ当社グループは、与えられた課題の解決に向け、どのような人材をどの場所に配置するか、明確な絵を描けるのです。こうしたマネジメントが可能なのは、グループの長い歴史で培われてきた組織文化の賜 当社グループがお客様の「最重要かつ最強のサポーター」であるように、私も経営者として社員たちの「最重要かつ最強のサポーター」でありたいと願っています。私の役目とは、何よりも社員が働きやすい環境を整え、それぞれの経験・物です。ニーズを追い風に、新製品投入を加速します。加工材事業部門では、2025年8月に小松島工場(徳島県)で新たな塗工機が稼働を予定しており、合成皮革用工程紙の海外での拡販を見据えています。 このように事業の全体的先行きは良好である一方、PBR(株価総資産倍率)が1倍を下回っていることが示すように、当社の株価が割安な水準にあり、多くの投資家の方々からもご指摘を頂いています。今後もより多くの市場の期待に応えることができるよう、夢のある新製品・新事業を創出し、売り上げと利益の向上につなげていかなければならないと考えています。 既に取り組んでいるパーパスブランド「Wウェルサートelsurt」やEUV露光機用CNTペリクルを含め、売上高の3割以上を新製品で占めるよう、活力ある製品ラインアップの実現を目指していきます。当社としての確固たる市場ポジションを獲得し、資本市場における評価を高めていきたいと考えています。知識・技術が最大限に発揮されるような仕組みをつくることです。そして「LSV 2030」の理念や取り組むべきテーマとその意味をしっかり理解してもらい、社員たちが新時代の人材として飛躍できるよう後押ししていくことです。「人」を基軸にした経営を貫くことで、真に持続的な成長を実現し、サステナブル社会への貢献を果たしていきたいと考えています。 株主・投資家の皆様には、今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。代表取締役社長 社長執行役員服部 真夢のある新製品・新事業の創出で市場の期待に応える社員たちの「最重要かつ最強のサポーター」として
元のページ ../index.html#17