統合報告書2024
16/70

14価値創造ストーリー社長メッセージ 今年の4月にスタートした中期経営計画「LSV 2030-Stage 2」では、前計画「LSV 2030-Stage 1」の成果と課題を踏まえつつ、長期ビジョンの三つの重点テーマに沿ったきめ細かい施策を展開しています。中期経営計画の詳細は後述しますが、ここでは計画全体の要となるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みについてご説明します。 市場は常に右肩上がりで拡大するわけではなく、そこにはアップダウンがつきものです。どのように厳しい経営環境にあっても利益を確保することのできる強靭な体質でなければ、企業としての持続的成長もサステナブル社会への貢献も果たせません。 当社グループでは、多品種小ロット生産でお客様ごとに異なるニーズに対応してきました。近年では市場のニーズ がさらに多様化し、目まぐるしく変化する中、さらなる多品種への対応が求められています。利益を確保するためには、DXを活用することによって設備の稼働率を高め、製造コストを低減することが不可欠です。 人的資源の有効活用の観点からも、DXは重要です。特に少子高齢化が加速する国内では、製造スタッフも高齢化が進みます。また人手不足が深刻化する中、女性の活躍推進も喫緊のテーマです。社員の年齢やジェンダーの多様化に向けて、DXによる製造ラインの自動化・省人化は大きな突破口になるはずです。 DXのもう一つの意義は、在庫管理の高度化にあります。データ相互の複雑な関連性や隠れたパターンを探り当てるうえで、AI(人工知能)には人間の知覚を超える部分が多々あります。人間に今後求められるのは、AIによる「前処理」を踏まえて的確な最終判断を下すこと、あるいは業務改善につながるようなソフトの活用法などを考案することでしょう。私の考える「デジタル人材」とは、まさにこうした能力を備えた人材です。つまり、それは専門的なプログラマーやエンジニアに限らず、ITに日々慣れ親しみ、ビジネスの道具として使いこなせる人材を意味します。 このような観点から、当社グループは2022年10月、幅広いプロセスの業務改革およびデジタル人材育成の土台づくりに向け、全社横断的なDX推進プロジェクト「LDX 2030」を発足させました。「BPR(業務改革)起点DX」や「次期基盤システム構築」など六つの分科会を編成し、ロードマップに沿って諸施策を進めています。プロジェクトは現在、全段階の半ばまで進んでおり、順調に進■していると評価しています。社員がここで獲得した知見は、早速、日々の実務や現場改善活動に反映され、情報伝達や意思決定の迅速化にも寄与しています。中期経営計画「LSV 2030-Stage 2」の要となるDX

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る