統合報告書2023
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23高周波により接着シートが溶融し、異種材料を接合独特の風合いが特徴のコアマモ混抄紙事業統括本部 事業開発室長瀬せがわ川 丈たけし士高周波誘電加熱接着シート 高周波を当てると溶融し、ガラスと樹脂など異種材料を接合することができる接着シート。従来の液状接着剤と同等の 接着強度がありながら作業時間を短縮でき、高周波を再度 当てれば接合物を容易に解体できます。自動車部品などの リサイクルを促進する部材として提案しています。コアマモを使った混抄紙 海草のコアマモを木材パルプに混ぜ合わせて抄いた紙。 コアマモは全国に分布し、CO2の吸収効果が認められていますが、アサリの稚貝保護や漁業者の航路確保などを目的に間引き・廃棄されることがあります。このコアマモを資源として再利用することで、廃棄物の削減と“海の脱炭素”に貢献します。事業開発室長メッセージ 長期ビジョンの重点テーマに掲げている「新製品・新事業の創出」が当室の最大のミッションであり、その実現に向けて2030年のあるべき姿をイメージし、「社会」と「環境」の課題を解決するための開発テーマを選定しました。そして昨年、パーパスブランド「Welsurt」を立ち上げ、技術開発と製品提案の強化を図っています。開発に当たっては、これまで培ってきた技術や製造プロセスを生かして“リンテックならではの市場ポジションを確立すること”が重要だと考えています。例えば、ペルチェモジュールなどはさまざまな企業が市場参入していますが、当社は長年磨いてきたシート化技術によって、従来品よりも薄型・軽量化したフレキシブルタイプを開発しており、ウェアラブルデバイスなどさまざまな用途に展開することが可能です。そのほかにも、独自技術を応用したEUV(極端紫外線)露光装置用ペリクルといった期待の新製品の開発も着々と進めていますが、これは当社が半導体分野でまだ参入していない「前工程」向けの事業領域となります。今後も既存の領域を超える市場や技術開発に果敢に挑戦し、社会的課題を解決するための新たな価値の創造を目指していきます。

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