18フィルム製品などの石化原料製品において、脱プラスチック製品・バイオマス製品への転換や、3R(リデュース、 リユース、リサイクル)が可能な製品の開発などを進めています。さらに、お客様の使用後に発生する剥離紙の 回収・リサイクル体制の構築に向け、関連企業と共に ラベル循環協会を設立し、これに参画しました。今後、 使用済み剥離紙の回収システムと再生処理技術の構築・確立に取り組み、再生資源化を目指していきます。 詳細はP45参照企業体質の強靭化 2030年3月期の経営指標である売上高営業利益率12%以上、ROE10%以上を達成するためには、イノベーションによる企業体質の強靭化が必要です。そのためには特にデジタル技術の活用によってビジネスモデルや業務プロセスを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)化が必要であり、当社では昨年10月に情報システム部や業務プロセス改革室を中心とする全社横断的なDX推進プロジェクト「LDX 2030」を立ち上げました。業務改革の実現とデジタル人材育成の土台づくりを進めており、今後、設計・開発・製造・物流などのさまざまなプロセスにおける業務効率化やコスト削減、働き方改革といった効果を期待しています。 また、低成長・不採算事業の構造改革が喫緊の課題と認識しており、事業ポートフォリオの最適化や各事業の撤退基準の設定なども含めた議論を社内で展開しています。まずは徹底的なコスト削減や品種の統廃合などに取り組み、加えて事業部門ごとの資産効率の向上に努めていきます。一方、事業環境が良くなった際に機会損失を生じることがないよう、特にエレクトロニクス関連などについては将来の需要拡大を見据え、積極的な生産設備投資を実施しています。新製品・新事業の創出 社会的課題の解決に貢献し、持続的成長を実現するためには、新製品・新事業の創出が不可欠です。当社ではかねてより、研究スタッフが営業担当と共にお客様を訪ね、直接コミュニケーションを取る「マーケット対話型」の研究開発を推進し、その時々の顧客ニーズ・社会的要請に向き合いながら自社の技術を進化させ、革新的な新製品の開発によって業容を拡大させてきました。当社の歴史はこうした“イノベーションの歴史”とも言え、その風土が社内に根づいています。 そして「LSV 2030」では“技術革新による新製品・新事業の創出”を掲げており、従来の事業領域における先端テーマはもとより、情報通信・エレクトロニクスやモビリティ、エネルギー、医療・介護などの分野を中心に社会的課題の解決に資する製品・事業の開発を進めています。2022年にはこれら各テーマに関する技術開発と製品提案の強化を図るため、新ブランド「Wウェルサートelsurt」を立ち社長メッセージステークホルダーとの価値協創と人的資本強化 当社グループの2030年のあるべき姿の一つは、お客様がそれぞれの市場で勝ち抜くために、最重要かつ最強のサポーターであることと考えており、当社独自の技術開発力・製造力を駆使し、現状に満足することなくパーフェクトと呼べるレベルまで顧客満足度を高めていきたいと思っています。そのためには、製品の開発から製造、販売、それらに付随する業務に従事する全ての従業員、高品質な材料を供給していただくサプライヤーなど多くの関係者の協力が必要です。企業は1社単独では何もできず、さまざまなステークホルダーがいてこそ成り立つ存在ですから、各ステークホルダーとの協働による価値協創や生産性向上に取り組み、生み出された収益・成果について適切に分配することで企業価値を高めていきます。 特に従業員は会社の重要な財産であり、リンテックの持続的な成長・発展に不可欠な存在だと言えます。従業員のエンゲージメントや生産性の向上を図るため、ベースアップを含めた従業員の処遇改善を継続的に行っていきます。人的投資については、従業員の業務や能力に合わせた教育プログラムを用意し、グローバル社会にも通用する人材の育成に努めているほか、直近では経営幹部を長期的に育成していくためのサクセッションプラン導入の試みを始めており、会社の屋台骨となる人材の育成・確保を目指しています。また、出産・育児・介護などのライフイベントがあっても働き続けやすい制度づくりにも注力し、女性をはじめとする多様な人材の活躍を促進しています。さらに2023年3月期には、当社と国内グループ会社を対象に初めて従業員サーベイを実施しました。結果の分析を踏まえ、従業員満足度の向上や明るく生き生きと働ける職場づくりを推し進めていく方針です。
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