統合報告書2023
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(2023年3月期)(2014年3月期)2013年度 約29.5万t2030年までに2013年度比 50%以上 削減 2050年までに実質0 17 長期ビジョン「LSV 2030」を掲げてから2年以上が経過しました。ビジョンの名称にもあるとおりキーワードは“Sustainability”であり、ESGを経営の根幹に据え、企業価値の向上を目指す「サステナビリティ経営」を実践してきました。その基盤となっているのが「サステナビリティ委員会」を中心とした推進体制です。同委員会は経営層を中心に構成され、基本方針・実行計画についての議論や進■状況の監督を行っていますが、全社外取締役も参加して毎回有益なご意見を頂いています。社会が変化していく中、長期ビジョン実現へのアプローチにおいて社外取締役の高度な専門的知見や客観的なご意見を頂くことは「LSV 2030」の方向性を確認するうえで大変有意義なものとなっています。 そしてサステナビリティ委員会の下部組織として、ESGやSDGs、リスク管理、ステークホルダーとのコミュニケーション強化などに関する四つの委員会と五つの分科会を設けており、それぞれ全社横断的なメンバーで構成することで多くの従業員に参画してもらっています。さらに、私自身が会議の場やPR誌の誌面などで、事あるごとにサステナビリティの重要性に言及していますが、リンテックが目指す方向性をグループ全体に浸透させるためには、引き続き丁寧な説明を繰り返していく必要があると考えています。今後も事業活動を通じて社会的課題の解決に貢献し、社会と共に発展・成長していくため、「LSV 2030」の各重点テーマの施策を強力に推進していきます。※ リンテックグループ全体のスコープ1・2を対象に、当社が独自で集計した数値を基にしています。 2013年度は、それ以降にグループに加わった子会社のCO2排出量を■って加えた概算数値です。環境負荷の低減 当社として取り組むべき社会的課題の中で、温室効果ガスの排出量削減は重要な使命と言えます。当社グループではCO2の排出量削減に向けた設備投資を積極的に展開しており、「LSV 2030」期間中に総額100億円を超える投資を計画しています。環境対応への投資は単なるコストアップになるだけではありません。例えば、紙を製造する熊谷工場(埼玉県)や三島工場(愛媛県)などの抄紙機の追加設備は、乾燥工程においてエネルギー使用量とCO2排出量の削減だけではなく、生産効率改善やコスト削減、品質向上にも効果があり、こうした投資は今後も積極的に行っていきます。当社グループではCO2排出量を2030年までに2013年度比で50%以上削減し、2050年までに排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)という目標を掲げています。基準となる2013年度のCO2排出量は、それ以降に当社グループに加わった子会社などの数値も含めると約29.5万トンとなり、2022年度の排出量は約17.8万トンであったことから、2013年度比で39.7%の削減となっています。 また、当社グループでは粘着製品や剥離紙の製造時に希釈溶剤としてVOC(揮発性有機化合物)のトルエンを使用していますが、環境負荷の低減を目指してその削減に努めています。粘着剤においては有機溶剤を使用しないエマルションタイプやホットメルトタイプに、また剥離紙においても無溶剤製品への置き換えを進めています。当社では無溶剤型剥離紙用の塗工設備の導入を段階的に進めており、現在64%となっている剥離紙無溶剤化率を2030年までに100%にすることを目指しています。無溶剤化は有機溶剤の燃焼処理時に発生するCO2を削減する効果もあり、脱炭素化に向けて注力すべき課題と位置づけています。 そのほか、当社製品に関する取り組みとしては、特に2022年度約17.8万t39.7%削減CO2排出量削減のロードマップ 「LSV 2030」の進■状況

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