統合報告書2022
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6,3326,6240ハイエンド品に 採用される 高い品質当社テープメッキ加工焼成・ 外部電極形成型抜き・剝離23内部電極部電極印刷ワイヤーを用いた実装フリップチップ実装加熱乾燥内部電極印刷ワイヤーを用いた実装フリップチップ実装5,5594,4044,123積層セラミックコンデンサ関連テープ世界の半導体市場予測積層セラミックコンデンサの 搭載数電子機器の高機能・薄型化に対応するフリップチップ裏面保護テープ 従来の半導体チップは一般的に金属製のワイヤーでチップ表面の回路と基板を接続していました。それに対してフリップチップは回路面に突起電極を形成したチップを反転して直接基板に実装する方法で、電気特性が向上するほか実装面積が小さくなるといった利点があります。一方でチップの裏面がむき出しになっているため、チップの薄型化が進むにつれてその補強などが課題となっていました。そこで当社は、チップ裏面を保護・補強するとともに回路面への光透過を抑制してダメージを低減するなどの特徴を持つテープを他社に先んじて開発。現在でも独占的な高シェアを維持し、当社グループの収益性向上に大きく貢献しています。 電気を蓄えたり電流を整えたりする機能などを持つ積層セラミックコンデンサは、大きさが0.25mm以下のものもある極小の電子部品。内部には電極を印刷した厚さ千分の1mm以下のセラミックシートが数百から千層近く積み重ねられています。このセラミックシートの形成に、精密薄膜塗工技術などを駆使して生産する当社グループの積層セラミックコンデンサ関連テープが使用されており、優れた表面平滑性や耐熱性、剝離性が市場から高く評価されています。大手コンデンサメーカー各社に納入し、特に高い品質が要求されるハイエンド品向けを中心に多く採用されています。積層セラミックコンデンサの製造工程誘電体ペースト(スラリー)フリップチップ 裏面保護テープ塗工積層・圧着・切断セラミックシートテープ億米ドルチップワイヤー粘着剤基板チップバンプ粘着剤基板チップ貫通電極バンプ粘着剤チップ基板電気自動車約10,000個ノートパソコン8,0006,0004,0002,000201920202021出所:WSTS(世界半導体市場統計)約800個チップワイヤー粘着剤基板チップバンプ粘着剤基板チップ貫通電極バンプ粘着剤チップ基板高機能スマホテープ約1,000個薄型テレビ約1,000個2022(予想)2023(予想)(年)さらなる需要の拡大を見据えて 昨今の世界的な半導体不足を受け、現在、半導体メーカー各社が増産投資を加速させていますが、さらなるAIの活用やIoT化の進展、カーエレクトロニクスの進化、高速通信規格の普及などにより、将来にわたって半導体市場は拡大していくことが予想されます。同時に電子機器や自動車などに搭載される積層セラミックコンデンサの数も増加し、一層の高性能化が求められてきます。こうした市場動向を踏まえ、当社もエレクトロニクス関連製品の生産能力の拡大に向けた設備投資計画を推進。品質の向上や新たな生産プロセスへの対応も含め、顧客ニーズを満たすモノづくりで今後も社会のデジタル化に貢献し、事業の拡大を図っていきます。

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