19北米ラベル関連市場での事業拡大 当社グループの主力製品であるラベル用粘着紙・フィルムについては、トップクラスのシェアを誇る国内市場の深掘りを進めるとともに、海外での事業拡大にも努めています。特に北米は世界全体の約25%を占め、安定的な成長を続けている魅力的な市場です。当社グループは2016年12月に、北米市場でシェア第3位のマックタック・アメリカ社を買収したことによって同市場への本格参入を果たしました。その後、需要の増加に同社の生産能力が追いつかなくなってきたことから、2021年4月に最新鋭の生産設備を持つデュラマーク社を買収(同年12月にマックタックグループとして吸収合併)しました。さらに今年2月には同業メーカーの事業を譲り受け、多品種・少量生産に強みを持つスピネカー社を新たに設立してマックタックグループに加えるなど、積極的な投資を続けてきました。これらによって当面必要な製品供給能力を確保できたほか、シナジー効果も大いに期待できると考えており、今後の北米市場の成長を確実に収益へとつなげていく方針です。また、マックタックグループの製品・技術の他国への展開やリンテック製品の北米市場での販売拡大にも引き続き注力していきます。環境配慮製品のラインアップ拡充 地球温暖化やプラスチックによる海洋汚染が深刻化する中、環境に配慮した製品へのニーズが年々高まっています。今後、環境負荷がより少ない製品でなければ生き残ることが難しくなることから、環境配慮製品の開発・拡販は当社グループのどの事業においても重要なテーマとなります。そのような中、脱プラスチック・減プラスチックの観点からは、当社の特殊紙製造技術が大きな強みとなってきます。プラスチックフィルムの特徴として耐水性や透明性が挙げられますが、当社では水にぬれても破れにくい紙や半透明紙を生産・販売しており、フィルムの代わりに紙を使った製品の拡販やフィルム代替用途での特殊紙製品の提案を進めています。また、植物由来のバイオマス原料を配合した粘着剤の開発・採用拡大やフィルム基材の薄型化、ペットボトルをリサイクルした再生PET樹脂の活用なども推進しています。さらに、建物や自動車の窓ガラスに貼ることで日射熱をカットして空調効率を高め、省エネ効果を発揮するウインドーフィルムについては、米国の生産拠点であるマディコ社と機能性フィルムメーカーであるVDI社との連携を強化しながら高機能製品の開発・拡販を目指しています。耐水性のある紙基材を使用したラベル用 粘着製品半透明紙を使った紙製のファイル車内の温度上昇を抑制し、空調効率を高める自動車用ウインドーフィルム
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