統合報告書2021
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123412353リンテック 統合報告書 2021略称表面基材に再生PET樹脂を100%使用したラベル用粘着フィルム従来技術新技術従来技術に比べて少ない工程で再生処理ができるため、環境負荷を抑えつつ、より多くの使用済みプラスチックを効率的にリサイクルできる同等の物性を実現したラベル素材を開発。また、粘着剤や表面基材にバイオマス材料を採用したり、フィルムを薄膜化したりすることで、石油由来原料の使用量削減にも取り組んでいます。特殊紙製造技術を生かし、 高い耐水性を実現した プラスチック代替の ラベル用粘着紙当社グループでは長期ビジョンで掲げた循環型社会の実現に向け、プラスチック削減を注力テーマの一つと捉えています。ここでは、プラスチック使用量や廃プラスチックの削減に貢献する製品とそれらに向けた取り組みについてご紹介します。使用済み プラスチック油化 原料化 (熱分解)(熱分解)再資源化使用済み プラスチック原料化 (熱分解・触媒反応)再資源化脱プラスチック、減プラスチック製品の拡充 当社では特殊紙製造で培ってきた技術を生かし、“脱プラ”対応製品の開発を積極的に進めています。例えば、耐水性が必要な商品の表示ラベルとして使用される粘着フィルムの代わりに、水にぬれても破れにくい紙を表面基材に採用したラベル用粘着紙や、プラスチック製のレジ袋の代替品として、手提げ袋などに加工できる耐水強度に優れた印刷用紙などを開発。さらに、コンビニエンスストアのプラスチック製弁当容器の代替素材として、厚物の耐油耐水紙の拡販にも努めています。今後も、フィルムの特徴である耐水性や透明性などが求められる用途において、プラスチックを代替する素材として紙の可能性を模索していきます。 また、当社では使用済みのペットボトルからつくられた再生PET樹脂を表面基材に採用したラベル素材のラインアップも拡充しています。表面基材のフィルムに再生PET樹脂を100%使いながら、非再生PETフィルム基材のラベル素材とプラスチック問題解決に向け、企業間連携を強化 当社グループは2019年4月に海洋プラスチックごみ問題の解決を目指す団体である「CLOMA*」に加盟。プラスチック代替素材の普及促進策の検討や、技術情報の発信・共有を行っています。さらに、2020年11月には使用済みプラスチックの再資源化技術の開発を推進する共同出資会社(株)アールプラスジャパンへの資本参加を発表。同社は米国のバイオ化学ベンチャー企業と共に、ペットボトルなどのプラスチックを直接原料に戻す新技術の研究を行っており、より多くの使用済みプラスチックを効率的にリサイクルできる技術として、2027年の実用化を目指しています。* CLOMA(クロマ):Japan Clean Ocean Material Allianceのリンテックの プラスチック削減に向けた取り組みFocus

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