統合報告書2021
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1 フロントローディング設計 顧客ニーズや開発プロセスの精査に重きを置き、製品開発の初期段階で可能な限り開発上の課題やリスクを洗い出す手法です。事前に対策を講じて途中段階でのやり直しを極力抑えることで、開発効率を高め、コスト削減にも寄与します。2 ワンストップ開発 新規材料開発と量産化に向けたプロセス開発を同時並行で進めていこうという考え方です。工場の量産設備に近い大型のテスト用粘着剤塗工設備や剝離剤塗工設備などの導入によって、量産に必要な粘着剤および剝離剤の配合や塗工時の環境条件などのデータを研究所で収集できるようになり、量産化までの開発スピードの向上という面で大きな成果が出ています。作業負荷41市場産官学将来を見据えた 研究開発外部との連携による オープン・イノベーション設計の初期段階における課題やリスクの洗い出し 当社の研究開発機能が集中する研究開発本部・研究所(埼玉県)では、最新鋭の試験・分析機器やテスト塗工設備、クリーンルームに加え、半導体関連分野では顧客が実際に使っているものと同等の各種装置も完備しています。さらに、工場の量産設備に近い大型テスト塗工設備を導入することで、開発から量産化までをスムーズに行える体制を強化しました。現在、現業に直結する製品開発を行う製品研究部と、将来を見据えた研究開発を行う新素材研究部を中心に約200人の研究員が在籍し、日々それぞれのテーマに励んでいます。また、米国の研究開発拠点であるナノサイエンス&テクノロジーセンターでは、カーボンナノチューブや人工筋肉といった先端材料の開発に注力しており、当社グループの新たな事業の柱となる技術・製品の確立を目指しています。 当社では既存事業における競争力の強化と新製品・新事業の創出に向け、手がけたテーマを必ず形にするという強い決意を持って研究開発を推進しています。「フロントローディング設計」や「ワンストップ開発」をキーワードに開発効率および開発スピードの向上に努めているほか、研究所と各事業部門などとの連携による「ステージ・ゲート・システム」という研究開発スキームを構築し、中・長期テーマを中心に新たな価値創造の実現に向けて取り組んでいます。 当社の開発プロセス  通常の開発プロセスマーケット対話型の研究開発先端材料の開発ナノサイエンス& テクノロジー センター(米国)開発の流れリンテック 統合報告書 2021製品研究部大型テスト塗工設備 研究所新素材研究部変更が容易で変更が難しく低コスト高コスト研究開発体制研究開発方針

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