統合報告書2021
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(2021年2月)(2020年11月)15リンテック 統合報告書 2021 私の社長就任1年目となった当期は、本来であれば2020年3月期で終了した前中期経営計画「LINTEC INNOVATION PLAN 2019(LIP-2019)」を受けて、新しい中期経営計画をスタートするタイミングでしたが、2022年3月期から収益認識に関する会計基準の適用を控えていることなどもあり、単年度計画を推進してきました。当期を一言で表現するなら、前期末から猛威を振るい始めた新型コロナウイルスの影響を大きく受けた1年と言えます。世界的に経済活動が停滞したことにより、多くの製品・事業分野で需要が減退しました。しかし、その一方で半導体・電子部品関連製品を主力とするアドバン売上高営業利益親会社株主に 帰属する当期純利益 前中期経営計画「LIP-2019」では、最終年度の2020年3月期における連結売上高2,700億円、営業利益250億円、売上高営業利益率およびROE9%以上という数値目標を掲げ、諸施策を推進してきました。初年度は連結売上高2,490億円、営業利益201億円と上々の滑り出しを見せましたが、2年目以降は米中貿易摩擦やエレクトロニクス関連市場の在庫調整などの影響を受け、最終年ストマテリアルズ事業部門は、テレワークの普及や巣ごもり需要などによって好調に推移しました。昨年11月の第2四半期決算発表時点では、上期の低迷を受けて通期の業績予想を下方修正しましたが、下期に入ると徐々に経済活動に復調の兆しが見え、各事業部門の業績も回復傾向になったことから今年2月には逆に業績予想を上方修正するなど、先を見通すのが非常に難しい1年となりました。最終的には、売上高は上方修正の数値を上回り、利益面については電子・光学関連が過去最高益を記録したこともあり、全体では当初予想も上回るなど、一定の評価ができる結果になったと考えています。通期予想 下方修正 通期予想 上方修正 度の連結売上高は2,407億円、営業利益は154億円、売上高営業利益率は6.4%、ROEは5.0%と目標数値を大きく下回る結果となりました。 このような結果を受け、これまでのように既存事業の延長線上で3年間の経営計画を策定・推進していくのでは大きな未来を描くことはできないと考え、まずは長期ビジョンとして2030年の当社グループのあるべき姿をしっ当初通期予想 (2020年5月)2,400億円150億円110億円2,260億円2,330億円130億円85億円160億円105億円実績2,407億円154億円96億円前期実績2021年3月期 連結業績2021年3月期を振り返って長期ビジョン策定の背景2,359億円170億円114億円

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