統合報告書 2020
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リンテック 統合報告書 20207持続的成長に向けた課題 当社グループが持続的成長を遂げていくために取り組むべき課題は数多くあります。印刷材・産業工材関連 セグメントをはじめとする収益構造の改善、世界中の企業が直面する新型コロナウイルス感染拡大への対応、そして中・長期的に新たな成長ドライバーとなる事業分野の確立、ESGやSDGsを根幹に据えた企業経営のさらなる強化などが重要になってくると考えています。少子高齢化が一段と進む日本で、人々のライフスタイルはどう変化しているのか。高まる環境への意識をはじめ、世界各国における社会的課題は何か。その中で当社グループはどうあるべきかを考え、世の中のどのような課題をどう解決していくのかを明確にしたうえで、今やるべきことを迅速かつ着実に推進していきます。 外部要因に左右されにくい事業構成の再構築を 当社グループの各事業部門の業績が外部要因の影響を受けやすいことが、現在の製品アイテムのポートフォリオが抱える問題点の一つと考えています。例えばラベル用粘着製品の中では、食品の表示ラベル用途や飲料のキャンペーンラベル用途といった、天候などの要因によって需要が変動しやすいものが多くあります。あるいは半導体・電子部品関連の分野でも、これまでエアコン向けなどの需要の季節変動をスマートフォン関連需要がカバーしてきた状況がありましたが、近年のモバイル市場の成熟化に伴い、少し変わってきているという印象です。そのほか、各事業部門のターゲット市場で生じているさまざまな変化に対する分析を徹底し、製品ポートフォリオの最適化と新規製品開発を進めていかなければならないと考えています。近年の当社グループの成長を支えてきた半導体関連粘着テープ 新型コロナウイルス問題は変革の契機 当社は今年11月、国内外事業戦略の本拠である東京・飯田橋オフィスを近隣地に移転します。これに向けて“ペーパーレス化”と“フリーアドレス”を基本コンセプトに、ワイヤレス環境やモバイル端末の充実、セキュリティー 対応の徹底などといった準備を昨年から進めてきました。そのため、結果的には今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業部門におけるモバイルワークへの切り替えは比較的スムーズに進みました。 営業部門にとどまらず、まずは全従業員の感染拡大を防止し、かつ継続的に業務を遂行できる環境を整備・拡充することが何よりも重要です。在宅勤務やウェブ会議システムの活用を推進しているほか、出勤時もマスク着用の義務化や換気の徹底、時差通勤の推奨などにより感染リスクの低減を図っています。従業員に対し一律の特別手当も支給しました。そして今後は、コロナ前の働き方

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