統合報告書 2020
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経営成績 2020年3月期の世界経済は、米国では良好な雇用や所得環境を背景に底堅く推移し、欧州では個人消費が緩やかながらも増加しました。中国では米中貿易摩擦の影響により外需・内需ともに減速が続きました。一方、我が国においては、雇用や所得環境の改善が見られたものの、海外経済の減速による輸出の鈍化に加え、大型台風などの自然災害や消費増税によって個人消費が低迷しました。さらに年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の拡大により世界経済に厳しさが増しました。 このような経営環境の中、連結売上高は期前半の半導体市場低迷の影響を受けたことなどにより、前期比4.1%減の2,407億円となりました。営業利益については、主要原材料であるパルプ価格の下落はありましたが、販売数量が減少したことなどにより、同14.1%減の154億円となりました。税金等調整前当期純利益は、営業利益の減少に加え、のれんの減損損失として5億円を計上したことなどにより、同24.0%減の139億円となりました。税効果会計適用後の法人税等負担額は44億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同25.6%減の96億円となりました。また、1株当たり当期純利益は前期の179.24円から133.20円に、ROE(自己資本利益率)は前期の6.9%から5.0%に減少しました。セグメントの状況印刷材・産業工材関連 印刷・情報材事業部門のラベル用粘着製品については、国内では天候不順の影響を受けて食品・飲料関連の表示ラベルや化粧品などのアイキャッチラベルが低調に推移しました。海外では中国で景気減速の影響を受けましたが、米国では新規顧客への拡販効果もあり、堅調に推移しました。 産業工材事業部門では、ウインドーフィルムは国内外ともに順調に推移しましたが、二輪を含む自動車用粘着製品がインド市場低迷の影響を受けて低調に推移しました。 以上の結果、当セグメントの売上高は1,224億円(前期比0.4%減)、営業利益は売上構成の悪化や原材料コスト、物流コストの上昇などにより、9億円(同75.3%減)となりました。電子・光学関連 アドバンストマテリアルズ事業部門については、半導体関連粘着テープは第3四半期に入って需要が回復したことなどにより増加しましたが、半導体関連装置は設備投資抑制の影響を受けて大幅な減少となりました。また、積層セラミックコンデンサ関連テープについても、自動車用やスマートフォン用が市場の生産調整の影響を受けて大幅な減少となりました。 オプティカル材事業部門では、光学ディスプレイ関連粘着製品の大型テレビ用は堅調だったものの、スマートフォン用などの中小型向けが需要低迷の影響を受けて低調に推移しました。 以上の結果、当セグメントの売上高は819億円(前期比9.3%減)、営業利益は110億円(同1.5%減)となりました。洋紙・加工材関連 洋紙事業部門については、主力のカラー封筒用紙が堅調に推移したほか、建材用紙やファストフード向けの耐油耐水紙などが順調に推移しました。 加工材事業部門では、電子材料用剝離紙は堅調だったものの、一般粘着製品用剝離紙や光学関連製品用剝離フィルムが低調に推移しました。 以上の結果、当セグメントの売上高は364億円(前期比3.5%減)、営業利益はパルプ価格の下落などにより、35億円(同17.9%増)となりました。売上高億円億円営業利益2,5092,407印刷材・産業工材関連△5電子・光学関連△84洋紙・加工材関連△132020年3月期2019年3月期180154印刷材・産業工材関連△28電子・光学関連△2洋紙・加工材関連+5調整額△12020年3月期2019年3月期Financial Information68リンテック 統合報告書 2020経営者による説明および分析
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