統合報告書 2020
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リンテック 統合報告書 202065 長年の他社における社外役員の経験なども生かしながら、リンテックのガバナンスの向上のため、鋭意、独立社外取締役としての任務に当たっています。近年、当社では監査等委員会設置会社への移行や取締役会の諮問機関であるコーポレートガバナンス委員会の設置など、積極的に取締役会やガバナンス機能についての強化・透明化が図られてきています。特に、今年度は取締役の数が大幅に減員され、経営の意思決定と業務遂行の分離が推進されました。この結果、独立社外取締役の割合も大きく増加し、コーポレートガバナンス・コードで推奨されている独立社外取締役比率「3分の1以上」という基準もおおむね満たされることになりました。こうした当社の一連の改革は、大いに評価されるべきことと思います。 また今後、当社が一層の持続的成長を遂げるためには、社是である「至誠と創造」、すなわち至誠の心を持ち、そして創造的な歩みを進めるということが何よりも重要であると考えています。長期ビジョンや中期経営計画でも、これがベースの精神になると思います。当面は厳しい事業環境が続くと予想されますが、長期ビジョンの実行に向けてグループ全社一丸となって取り組んでいってもらいたいと思います。そして私たちは独立社外取締役の立場に立って、ガバナンスの面から当社の健全な成長に寄与していきたいと思っています。持続的な成長に向け、これからも「至誠と創造」の精神で リンテックグループでは事業のグローバル化を推進しており、2020年3月期には海外での売り上げが連結売上高の約半分を占めるようになりました。グローバルに事業を展開するうえで海外子会社のガバナンスは大きな課題の一つですが、当社では監査室の人員を増やして海外子会社のガバナンス面の管理とサポート強化に取り組んでいます。最近ではそうした取り組みの成果も出始め、海外子会社に関する報告内容も充実してきました。今後もさらなる改善を続けてほしいですし、私も長年企業法務に携わってきた立場からアドバイスできればと考えています。 現在、世界は大きく変化しており、以前のようには戻らない部分も多くあると思います。当社グループはこの変化に対応し、製品開発を含め、よりスピード感を持って業務執行をしていく必要があります。今回、取締役会をスリム化したことで状況に応じた対応がより迅速に行えるものと期待しています。また、昨今の環境重視の流れも当然のことながら止まるものではありません。気候変動に伴う自然災害が当社のビジネスに影響する面もありますので、さらに環境負荷の少ない製品を社会に供給していけるよう、長期的な視点で取り組んでほしいと思います。グローバルガバナンスと環境対応のさらなる強化を取締役(社外) 監査等委員 大おおおか岡 哲さとし1975年に日本開発銀行入行。日本政策投資銀行審議役に就任するなど政策金融に従事。さらに日本大学教授などを務め、多くの大学で教育研究に携わる。2012年に当社社外取締役に就任し、2015年より当社社外取締役(監査等委員)。2018年から当社コーポレートガバナンス委員会の委員長を兼務。取締役(社外) 監査等委員 大おおさわ澤 加かなこ奈子1998年に弁護士登録、梶谷綜合法律事務所入所。2005年に米国・ニューヨーク州の弁護士資格を取得し、国内外の企業法務に携わる。2015年に当社社外取締役(監査等委員)に就任し、2018年から当社コーポレートガバナンス委員会の委員を兼務。Financial InformationStrategyOverviewFoundation

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