統合報告書 2020
6/84

4リンテック 統合報告書 2020前中期経営計画を振り返って 2017年4月にスタートした3か年の中期経営計画「LIP(LINTEC INNOVATION PLAN)-2019」では、「イノベーションをさらに深化させ、新たな成長にチャレンジ」という基本方針の下、最終年度における連結売上高2,700億円、営業利益250億円、売上高営業利益率およびROE(自己資本利益率)9%以上という数値目標を掲げ、さまざまな施策に取り組んできま した。 初年度の2018年3月期は、世界経済の拡大基調が継続し、日本においても総じて堅調に推移しました。また、2016年末に米国のマックタック・アメリカ社など欧米3社を買収したことなどにより、連結売上高は前期に比べ約430億円増の2,490億円、営業利益は半導体・電子部品関連ビジネスが好調に推移したことなどにより、約35億円増の201億円となりました。しかし、2年目の2019年3月期においては、期前半は全体的に底堅く推移したものの、期後半に入ってからは米中貿易摩擦の影響によって中国経済が減速し、日本においてもその影響やIT需要の減速により輸出が減少するなど、厳しい経営環境となりました。その結果、連結売上高は微増にとどまり、営業利益は単体における販売数量の減少や売上構成の悪化、パルプを中心とする原燃料価格の上昇などの影響もあり減益となりました。最終年度となった2020年3月期は、米中貿易摩擦やエレクトロニクス関連市場の在庫調整に加え、国内において天候不順による大きなマイナス影響を受け、連結売上高は2,407億円、営業利益は154億円、そして売上高営業利益率は6.4%、ROEは5.0%となり、「LIP-2019」の最終数値目標をいずれも大きく下回る結果となりました。 しかしながら、長年赤字が続いていた米国生産子会社のマディコ社の経営合理化に着手し、営業黒字化を達成することができたほか、アジア地域を中心とする海外事業の強化や欧米でのM&Aなどによって海外売上高比率が約5割にまで高まるなど、一定の成果を得ることはできたと考えています。マックタック・アメリカ社社長メッセージ10年先を見据え 次なる成長への足掛かりを

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る