統合報告書 2020
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印刷・情報材事業部門長 メッセージリンテック 統合報告書 202027 当期の業績については、非常に厳しい結果となりました。国内市場では個人消費低迷の影響に加え、冷夏や暖冬に伴って食品や化粧品、衣料品関連などのラベル需要がいずれも不調に終わりました。また海外においても、北米の生産子会社であるマックタック・アメリカ社が、売上高は新規顧客開拓などによって伸長しましたが、原燃料価格の高騰に対して販売価格への転嫁が十分にできず、利益面では大幅に悪化しました。また中国においては、米中貿易摩擦による市場低迷の影響を受けました。 昨今の脱プラスチックの動きや、それに伴うプラスチックラベル全廃などの動きは、高付加価値なフィルムベースのラベル素材分野で強みを有する当社グループにとっては脅威といえます。しかしながら、こうした環境配慮ニーズに幅広く、より迅速に対応していくことが大きなビジネスチャンスになると考えています。当事業部門では現在、洋紙事業部門と連携して特殊機能紙ベースのプラスチック代替品の開発・市場投入を上席執行役員事業統括本部副本部長兼 印刷・情報材事業部門長吉よしたけ武 正まさあき昭印刷・情報材事業部門積極的に進めているほか、再生PETフィルムやバイオマス素材などを用いたアイテムのラインアップ強化を図っています。また紙ベースのラベル素材についても、国際森林認証紙への切り替えなどを順次拡大させていく方針です。これら環境配慮製品の拡販に加え、マックタック・アメリカ社との相乗効果の創出、材料調達や生産・物流面でのコスト削減などによる収益構造の改善にも取り組み、事業部門としての業績の回復、そして国内外における事業拡大に努めていきます。FoundationOverviewFinancial InformationStrategy事業部門紹介 さまざまな分野で使われているラベル用粘着紙・粘着フィルムなどを製造・販売しており、特に付加価値の高い粘着フィルムでは国内市場でトップシェアを有しています。また海外においては、アジア地域を中心に生産・販売拠点網の充実を図る一方、2016年に子会社化した米国のマックタック・アメリカ社を中心に北米市場への拡販にも注力しています。グループ全体売上高の約36%を占める最大の事業部門です。1,000750500250202120172018201920208890868868871551億円 印刷・情報材事業部門 売上高(3月期)(予想)

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