統合報告書 2020
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リンテック 統合報告書 202025事業統括本部長メッセージ 今年4月に本部長に就任し、まずは二つのことに重点を置いて取り組んでいます。一つは当社グループが持つ本来の強みについて、改めて把握・整理することです。それが固有の技術力なのか、国内外に広がるネットワークや営業力なのか、または別の要素なのかをもう一度しっかりと見極めたいと考えています。そして二つ目は、最近のグループ業績における低収益化の要因分析です。この2点をきちんと検証していくことで、その先の3か年計画、そして10年後に向けたロードマップも描いていけると思っています。 2016年末の欧米3社の買収以降、当社グループの売り上げ規模は拡大しましたが、重視すべきは営業利益です。例えば、全売上高の3分の1以上を占める印刷・情報材事業部門のラベル関連事業については、国内・海外ともに価格競争をしているだけでは大きな成長は見込めません。買収したマックタック・アメリカ社は年間約30億円ののれん償却もあって営業赤字が続いていますが、北米市場における販売ネットワークや環境負荷の少ないホットメルト粘着剤の処方技術など、従来、リンテックが持っていなかった強みがあります。今後、同社との連携をさらに強化し、世界的にニーズが拡大している環境配慮といったことも含め、積極的に高付加価値製品を提案していくことが重要です。 また、当社グループの業績を今後新たに牽引していくような製品の開発が急務であると考え、昨年7月にこれまでにない革新的製品を開発・市場投入するための部署として「次世代技術革新グループ」を新設しました。さらに今年4月には、各事業部門が持つ固有技術を横展開することでトータル的な企画提案をしていく「事業開発室」の体制も大幅に強化し、新製品・新規事業の創出を加速させていく方針です。利益を重視し、低収益からの脱却を取締役常務執行役員事業統括本部長海かいや谷 健たけし司FoundationOverviewFinancial InformationStrategy

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