統合報告書 2020
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Strategy22リンテック 統合報告書 2020財務状態と投資戦略 当社は2020年3月末時点において、130億円程度の借り入れに対し、約570億円のキャッシュを保有しており、健全な財務状態にあると考えています。株主・投資家の皆様からは手元資金の過多をご指摘いただくこともありますが、キャッシュの約半分は単体で保有しているものの、これは単体売上高の約2か月分にすぎず、また残りの半分は海外連結子会社38社の運転資金と設備資金として確保しているため、決してキャッシュを持て余している状況ともいえないと思っています。なお、当社は高い財務健全性に加え、金融機関と約90億円のコミットメント・ライン契約を締結しており、必要となれば機動的な資金調達も可能です。 また投資の面では、研究開発投資を含めて成長が期待できる案件には積極的に資本を投入していく方針です。2021年3月期は約100億円の設備投資を計画しており、エレクトロニクス関連製品の生産拠点である吾妻工場(群馬県)における剝離フィルム塗工設備のほか、特殊紙や剝離紙・剝離フィルムの生産拠点である熊谷工場(埼玉県)と三島工場(愛媛県)において、原価低減・品質向上と共に温室効果ガス削減を目的とした設備投資を行う計画です。長期的に重視する指標 当社の課題はキャッシュリッチというよりも、資本効率の低さにあると考えています。これまでの中期経営計画では営業利益率やROEを定量目標として掲げてきましたが、2022年3月期からスタートする次期中期経営計画では、総資産に対する収益性を表すROAも重視していくことを検討しています。ROAを高めるためには、事業部門ごとの採算性を改善しなければなりません。全社的な数値目標にひもCFOメッセージ2020年3月期の連結業績と2021年3月期の連結業績予想2020年3月期(前期比)2021年3月期予想(前期比)売上高2,407億円(4.1%減)2,400億円(0.3%減)営業利益154億円(14.1%減)150億円(2.9%減)親会社株主に帰属する当期純利益96億円(25.6%減)110億円(14.3%増)経営は安定しているが、 資本を十分に生かせていない企業現状強固な財務基盤を持ち、 持続的に企業価値を高めていける企業目指すべき姿投資対象として不適格な企業ハイリスク・ハイリターンな企業低い高い資本効率多い少ない手元資金

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