統合報告書 2020
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8リンテック 統合報告書 2020に戻すということではなく、働き方改革の一環として今回の取り組みを必要に応じて進化・定着させ、従業員の働きやすさや生産性の向上につなげていきたいと考えています。 また、従業員一人ひとりが自ら率先して新しい生活様式を取り込むことで、変化する時代の中で人々が本当に必要とする製品・サービスをイメージして、新たな開発・提案につなげていくといった姿勢も必要になってきます。リーマンショック、あるいは東日本大震災の後、人々の価値観や生活スタイルなど社会の各方面で不可逆的な変化が生じました。時計の針を戻すことはできませんし、戻したところでそこにビジネスチャンスはありません。「元に戻す」という発想をしていては、やがて市場から退出を迫られることとなり、それこそが企業経営におけるリスクであると私は認識しています。 製品開発力と提案力をさらに強化 当社グループが目指すべきマーケットは、薄利多売で供給量が勝負を分けるような超巨大市場ではないと考えています。リンテック本来の「ものづくり」とは、ニッチな領域で顧客ニーズに合った機能性を追求し、高付加価値製品を提供していくことであり、これからも独自の持ち味を生かしたものづくりを続けていくためには、製品開発力と提案力の一層の強化を図っていく必要があると考えています。当社の研究開発部門は、他社が簡単には参入できないほどの優れた技術力を持ち、研究開発における設備面や環境面も整っていると自負しています。この強みにさらに磨きをかけるため、ヒューマンリソースの強化や開発効率向上に向けたAIの導入など、思い切った投資も行っていく方針です。研究所の先端技術棟に導入された 大型テスト塗工設備 環境問題への取り組み強化は必須の課題 地球温暖化防止対策や環境配慮製品の開発・拡販といった取り組みは、メーカーにとっての最重要課題といえます。CO2排出量の削減については、発電時に発生する熱を温水や蒸気などの形で回収して利用するコージェネレーションシステムの各工場への導入や、これまでより環境負荷の小さい交通手段を利用して製品を輸送するモーダルシフト化を進めることなどによって、2030年度までにCO2排出量30%以上削減(2013年度比)を目指しています。また、粘着剤や剝離剤の塗工工程で有機溶剤を使用する当社にとって脱溶剤も大きなテーマであり、製品開発と設備投資の両面から今後も積極的に取り組んでいきます。CO2排出量削減目標 (2030年度) 2013年度比で30%以上社長メッセージ

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