統合報告書2019
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63リンテック 統合報告書2019「至誠」がガバナンスの根幹西尾昨今、企業不祥事が頻発していますが、企業活動の大前提はコンプライアンスであり、真面目に、かつ誠実に日々の業務に取り組むことだと考えています。私は事あるごとに従業員に対し、当社の社是である「至誠と創造」の実践を呼びかけてきました。しかし、社内だけでは気づかない課題や不十分な点を見つけ出して対処していくためには、外部の客観的な視点が必要となります。 独立役員のお二人には、日頃からいろいろと有益なご指摘を頂いていますが、本日も忌憚のないお話を伺えればと思っています。大岡社是にある「至誠」という言葉は、リンテックに根付いた企業風土そのものだと感じています。最近、多くの企業でコーポレートガバナンス・コードへの対応が課題となっていますが、当社の場合、この精神が徹底されていることで、同コードへの対応も実体を伴ったものになっていると思います。大澤私も、リンテックは社是に対してきわめて真面目に取り組んでおられるという印象を持っています。「社是の実践を」という強いメッセージをトップが発して、その問題意識が社内に浸透する中、当社ならではの遵法経営が実現しているのではないでしょうか。コーポレートガバナンス・コード自体は罰則を伴うものではありませんが、それが目指すもの、自分たちにとって意味するものを、根幹の社是のレベルから 主体的に捉え直したうえで、一つ一つ丁寧な姿勢で取り組んでいると感じます。社外役員が高める取締役会の実効性西尾独立役員の立場として、現在の当社の役員構成について、ガバナンスの観点からどのようにお考えですか。大岡独立役員の人数を今より増やすべきとの見方はあると思いますが、私自身としては、今の状態で特に不都合が生じているとは感じていません。ただリンテックの場合、取締役と執行役員の役割分担を再検討して、取締役全体の人数を見直しても良いのではという気はしています。そのうえで、独立役員の人数についても議論していく必要があると思っています。大澤現状、取締役会での発言の際に、私のほかに独立役員がもう一人いるというのは非常に心強く、ありがたいと感じています。一口に独立役員といっても、大岡さんと私のバックグラウンドはかなり違いますので、大岡さんの意見を聞いて、なるほどと思うこともあります。また、非独立とはいえ社外役員の方がお二人いて、多様な視点からの意見を頂けていると思っています。大岡これまで他社の社外取締役を20年以上務めてきた私の経験から言いますと、客観的な意見として二人から同じような発言があると、社内役員の皆さんにも納得してもらいやすい。発言内容の客観性の担保という観点からは人数が多いほうが好ましいでしょうが、大澤さんが言われたように、当社の非独立の社外役員は、実際には私たちと同じくらい客観性を持って意見されていますから、現状の4人の社外取締役という体制でしっかり機能しているように思います。社是にある「至誠」という言葉は、リンテックに根付いた企業風土そのものだと感じています。Financial InformationESGStrategyOverview

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