統合報告書2019
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43リンテック 統合報告書2019自動車産業の未来に材料開発技術で貢献各事業部門で展開する新規材料の開発・提案において、特に今後注力していくべき分野の一つが自動車関連分野です。電気自動車の普及や先進運転支援システムの搭載など、電装化が進む市場ニーズに当社もしっかりと応えていきたいと考えています。半導体関連市場でますます強固な地位を当社はUV硬化型ダイシングテープの開発により、1986年に半導体関連市場への本格参入を果たしました。その後の半導体製造プロセスの技術革新に伴い、着実に独自のテープ技術の応用領域を広げ、ビジネス拡大につなげています。ウェハ表面保護テープSDBG用テープを使用した半導体製造プロセス  車載用モニターとして全面タッチパネルが採用されつつある中、ガラスに比べて軽量で加工しやすい樹脂製のカバーパネルと、液晶などのディスプレイモジュールとを貼り合わせるための高機能光学両面粘着シートを開発し、市場で高い評価を得ています。車載用途で求められる厳しい耐久性基準をクリアするとともに優れた透明性を誇り、プラスチック樹脂から発散されるアウトガスによる斑点状の気泡の発生も抑制します。さらに、カバーパネルのフレーム印刷部分の凹凸に対する段差追従性も兼ね備えています。  通常、表面に回路パターンを形成した円盤状の半導体ウェハは、裏面研削によって薄くしたあと、ブレード(刃)で切断して一つ一つのチップに個片化(ダイシング)されます。SDBGはウェハ内部にあらかじめレーザーで切り込みを入れたあとに裏面を研削し、ウェハを拡張することでチップに個片化するプロセス技術です。このプロセスで、裏面研削時に回路面を保護するために使われる表面保護テープに対する要求性能はきわめて高く、これをクリアするテープを開発したことで、当社は同テープ市場において強固な地位を固めつつあります。*SDBG:Stealth Dicing Before Grindingの略称 ※「ステルスダイシング」は浜松ホトニクス(株)が開発したダイシング技術です。車載用タッチパネルの 構成図液晶透明電極付きガラス樹脂製カバーパネル光学粘着シート車載用光学粘着シート SDBG*用ウェハ表面保護テープ表面保護テープステルスダイシング裏面レーザー裏面研削ダイシングテープ反転表面保護テープ剝離拡張による個片化ピックアップ実装12563748テープ貼付回路面反転テープ貼付ESGStrategyOverviewFinancial Information

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