統合報告書2019
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42リンテック 統合報告書2019従来の技術領域を超える新規材料の開発へ当社は近年、「粘着剤開発」や「塗工」という従来の基盤技術を超えた研究成果を上げています。それは、特殊用途で使われる 液状接着剤やベースフィルム自体の開発・製造技術の確立です。これらは当社グループの次なる成長への大きな一歩といえます。 フィルム内部に屈折率の異なる二つの特殊な層を形成することで、入射した光を必要な方向へ効率良く、最適に拡散させる光学機能性フィルムです。太陽光や照明を反射させて情報を表示する反射型ディスプレイの画面表示を、従来よりも明るくすることが可能です。バックライトを使わない反射型ディスプレイは、電子機器の省電力化に大きく寄与することから、今後スマートウオッチなどへの採用拡大が期待されています。光拡散フィルムを使用した反射型液晶ディスプレイ(右側) 自転車用GPSナビ新製品開発、そして新規事業の創出は、当社グループの持続的成長に欠かすことのできない原動力となります。将来を見据えて現在推進している研究開発の一端をご紹介します。製品開発の最前線LEDパッケージ構成図透明樹脂ワイヤーLEDチップ基板ダイボンド剤幅広い用途展開が期待される光拡散フィルム 光拡散フィルムは、リアプロジェクションやフロントプロジェクションといった大型のデジタルディスプレイや各種表示板などにも幅広く活用することができ、当社では店舗のガラス面などへの広告表示、公共施設内における案内・誘導表示といった用途提案を進めています。表示板としての輝度が高く、見る角度によって見え方を変えることができるといった特性を生かし、さらなる用途展開に向けた開発が進められています。 LEDとは電気を通すと発光する電子部品で、このLEDチップを基板に固定するための接着剤として、液状の機能性接着剤を開発しました。長年の基礎研究を通じて、光や熱による劣化を防ぐ耐光性や耐熱性、そして長期使用に対応できる接着強度などの高い要求性能をクリアした当社製品は市場で高く評価され、LEDメーカーでの採用実績も上がっています。今後、照明機器や電子機器といった用途におけるLEDの普及を見据え、さらなる材料開発を推進していきます。光拡散フィルムガラス面スクリーン(光拡散フィルム)プロジェクターリアプロジェクションの仕組みSpecial Feature 2LEDダイボンド剤Strategy

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