統合報告書2019
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22リンテック 統合報告書2019Strategy米国子会社の現状と今後北米ラベル市場での豊富な実績。業績回復に向け、相乗効果の創出が鍵̶マックタック・アメリカ社 2016年12月に買収したマックタック・アメリカ社は、北米のラベル素材市場で第3位のシェアを誇り、1,000社を超える顧客と350億円超の売上規模を有しています。当社グループにはなかったホットメルト粘着剤の処方技術や、広大な北米市場全域への販路を有する同社の買収は、これまでラベル用粘着素材の分野で北米市場に深く入り込めていなかった当社グループにとって、非常に大きなステップであったといえます。 しかし、2018年12月期の同社の業績は、のれんの償却負担に加え、原燃料価格の高騰や市場における価格競争の影響などによって低迷し、2019年12月期も引き続き営業赤字を予想しています。今後、当社との相乗効果の創出などにより、早期に改善を図っていかなければならず、当社グループにおける喫緊の経営課題となっています。環境負荷の少ない粘着製品の拡販に注力 マックタック・アメリカ社では、粘着剤を熱で溶かして基材に塗工するホットメルトタイプと、粘着剤を水で希釈して基材に塗工するエマルションタイプの粘着製品を製造しています。いずれも製造工程で有機溶剤を使用しないため、環境への負荷が少ないのが特徴です。当社グループが積極的に事業展開を図る東南アジア市場においても、同社製の粘着製品に対する反響は大きく、引き合いが増えてきています。今後、日本国内で販売するラベル素材や工業用粘着製品などへもホットメルト粘着剤処方を展開すべく、現在、一体となって研究開発を進めています。 当社グループは、昨年5月にタイで開催されたラベル関連の展示会「ラベルエキスポ・サウスイーストアジア」、そして9月に行われた北米最大の「ラベルエキスポ・アメリカ」に相次いで大規模出展。いずれにおいても、ホットメルト粘着剤を使用したマックタック・アメリカ社製のラベル素材が大いに注目を集めました。凍結・結露面への高い接着性を実現しており、冷蔵・冷凍食品のパッケージや、その物流・搬送用の段ボールケースへの貼付に適したラベル素材として、今後、世界各地域での採用拡大が期待されるアイテムです。当社グループは、米国においてラベル用粘着素材メーカーであるマックタック・アメリカ社を2016年に買収し、北米市場での事業展開の足掛かりを築くとともに、業績の低迷が続いていたウインドーフィルムの生産子会社であるマディコ社の再建に2017年から本格着手するなど、大きな経営判断を伴う施策を相次いで実施してきました。ここでは、米国子会社の現状と今後の展望についてご紹介します。Special Feature 1会社名: マックタック・アメリカ社所在地: 米国・オハイオ州従業員数: 538人(2018年12月末現在)売上高: 357億円(2018年12月期)事業内容: ラベル用粘着素材、工業用粘着テープなどの製造・販売 世界各地域の展示会で好評を博した低温対応ラベル素材

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