航空機の軽量化で燃費を向上させる
炭素繊維のシート加工に必要な紙

炭素繊維は髪の毛よりも細い繊維で、鉄と比較すると重さは4分の1でありながら、強度は10倍といわれています。軽さと強さを両立した部材として、航空機の胴体・主翼・尾翼などの主要部分に使われており、機体の軽量化による燃費効率向上のために不可欠な素材となっています。
当社の工程紙は、炭素繊維を成形品にする前にシート状に加工する工程で使用されます。樹脂を塗った2枚の工程紙の間に炭素繊維を並べて挟み、熱を加えることで半硬化させ、片方の工程紙だけを剥がしてからいったん巻き取られます。工程紙は炭素繊維を樹脂でシート状に固めるための「台紙」や、巻き取った際にくっつくのを防ぐ「合い紙」としての役割を果たすのです。その後、もう片方の工程紙も剥がして最終的な成形品がつくられるのですが、この工程紙にはきれいに剥がれるための剥離性はもちろん、耐熱性や表面平滑性、厚みの均一性などが求められます。炭素繊維は航空機の燃費効率を高め、二酸化炭素排出量の削減につながることから、環境に配慮した先端素材として注目されています。



  • 炭素繊維シートの製造工程

  • 炭素繊維シート